尾辻かな子氏 ロング・インタビュー

By Yuki Keiser May 2006


尾辻かな子

4. ベビーブーム

~同性愛者も子供を産む~

Profile: 尾辻かな子
1974年大阪府出身。前大阪府議会議員。2003年4月、堺市選出の大阪府議会議員選挙で当選する。2005年8月に、著書『カミングアウト』を講談社で出版し、日本初の同性愛者としてカミングアウトした政治家となる。2007年5月、民主党が7月の参院選全国比例区で公認した。結果は落選してしまったが、同性愛者であることを公表して国政政党から国政選挙に出馬する初めての政治家ともなった。http://www.otsuji-k.com

――尾辻さんは、ドラマ『The L word』のファンですよね。尾辻さんお気に入りのアリス役の女優が何年か前に、ドキュメンタリー映画を制作したらしいんです。今でこそアメリカでは同性愛者が子供を産むのは普通のことになってきていますが、15年ほど前に出産した先駆者たちの子どもが現在ティーンエイジャーになり、その彼らを取材した作品なんです。現在のベビーブームの未来の姿ですよね。映画の中で、彼らは驚くほど感受性豊かな子たちで、とても大人びたティーンエイジャーだと言われていました。

最近は日本のレズビアンの中にも子どもを持とうとする人がいますね。「同性愛者ばっかりになったら、少子化がますます進むじゃないか」っていうようなことを言う人もいますが。

――じゃあ産ませてあげればいいじゃんってね(笑)。 アメリカには精子バンクが7軒くらいありますよ。そのひとつが、レズビアンが運営している施設です。20年前のアメリカでは精子バンクはレズビアンのお客を断っていたので、なんとかしなきゃと開設したらしいんです。創設した当初は10人ほどしか登録者がいなかったようですが、今では数千人にも及んでいます。しかも、中には日本から来る人もいるらしいです。日本にも人工授精を行ったレズビアン・マザーがいるんですね、密かに。

そうそう。日本にもいるようですね。実際それで妊娠したカップルのブログを見つけました。カナダで結婚式をあげて、マリッジ・ライセンスも取っている。確か6回ほど人工授精を行って、この前ようやく妊娠したようです。今はそのカップルを暖かく見守っています(笑) 。(※「子供が欲しいから」というブログ。その後無事出産)。

ただ日本の厚生労働省のガイドラインでは、不妊治療は不妊の既婚している男女のカップルのみ受けることができるんです。日本産婦人科学会も人工授精の治療ができるのは、同様のカップルのみということになっています。つまり日本の倫理規定が、まだそこまでいってないんです。

――そうなんですね。ガイドラインなので、実際罰則規定はないようですけどね。シングルマザー用の施設が日本にも設立されているみたいですし。ただ費用が150万円程度と、ものすごく高いんですよ。だったらアメリカを往復するほうがずっと安いですよね。

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