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2. カミングアウト
~ニワトリが先か卵が先か~
Profile: 尾辻かな子
1974年大阪府出身。前大阪府議会議員。2003年4月、堺市選出の大阪府議会議員選挙で当選する。2005年8月に、著書『カミングアウト』を講談社で出版し、日本初の同性愛者としてカミングアウトした政治家となる。2007年5月、民主党が7月の参院選全国比例区で公認した。結果は落選してしまったが、同性愛者であることを公表して国政政党から国政選挙に出馬する初めての政治家ともなった。http://www.otsuji-k.com
――日本では職場でのカミングアウトは、まだ難しいと思いますか? また、尾辻さん自身カミングアウトをされていることから、アウトをすることを奨励していますか?
いまのところ職場はカミングアウトをできる環境だとは思いません。奨励することに関しては、カミングアウトは個人の自由・責任ですので、私がどうこう言える問題ではないと思っています。現状の日本の法律には性的指向による差別の禁止はまだ明記されていませんから、リスクは確実にあるんですよね。それで出世コースを外されたり、嫌がらせを受けることはまだまだ十分あり得るので、私はカミングアウトできる環境にある人がまずやっていくべきだというスタンスです。
でもこれは「ニワトリが先か卵が先か」ですね。「カミングアウトできる環境ができてから、カミングアウトをするので先にその環境をつくらないといけない」と主張する人もいれば、「カミングアウトしていかなければそういう環境はつくれない」という意見を持つ人もいるんです。両方重要だと思います。
いまできることは、たとえばLGBTに対して既にオープンな外資系の企業など、会社の理念として向こうの本社で規定されている、社員の人権擁護のグローバル基準をもとに、それを日本の支社でもしっかりと当てはめさせ、その輪を広げていくことが、まず必要なんじゃないかと考えています。
――なるほど。では外資系ではない日本企業の場合、できることは何だと思いますか?
労働組合をきちんと動かすことですね。とくに労働組合もまだ男性の正規雇用者が中心ですので、日本ではまず労働組合の方がLGBTに関する研修を受けてもらわないといけません。LGBTの労働者がいるという知識がないので、まずそのことを学んでもらう必要があると思っています。私も議員ですから、仲の良い労働組合などから呼びかけています。
カミングアウトは選択肢の問題なので無理にしなくてもいいのですが、アウトしたいけどできないという環境がそもそもおかしいんですよね。
――そうですね。職場でわざわざ言わなくてもよい、と言う人もいますが、でもいちいち嘘をつかなきゃならないというのは、不自然ですよね。尾辻さんの本の中で印象的だったのが、母親にカミングアウトした時に「じゃあ子どもは産まないの?」という答えが返ってきたことです。親はそういうところをものすごく気にしているようですね。
そう、「孫の顔が見たい!」って言う親は多いですからね。うちの母にカミングアウトした時、私はまず「付き合ってる人がいる」って切り出したんです。そしたら母親が舞い上がって、「今まで男の影すらなかったのに! はぁ、やっと遂にこの子も!」みたいに大喜びしたんです。でも「それが女の子や」って言ったら一気にドーンと下がりましたね (笑)。 まぁその後色々ありましたが、親にも受け入れてもらって、今では「親の会」というのにも参加しています。親もカミングアウトされて色々悩むんですよ、「自分の責任ではないか」とかね。(※「親の会」とは、正式名称「LGBTの家族と友人をつなぐ会」のことで、LGBT本人のカミングアウトを受け悩み、戸惑う周囲の人たちをサポートするために設立された、LGBTの家族や友人による交流会。関西を中心に活動。HP:http://lgbt.web.fc2.com/)
――同性愛者本人のみならず、親にも正しい情報を与えサポートすることは重要ですよね。
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