スイスのグループ『レ・フィー・ザフランシー』

By Yuki Keiser March 2007


les filles affranchies

1. 「レズビアニズム」のプロモーション
les filles affranchies

Profile: レ・フィー・ザフランシー
Les filles affranchies(“解放されたガールズ”)セクシュアリティ以外の関連で集まる、女の子が好きな女の子のグループ。様々なジャンルのカルチャー系イベントをフランス語圏スイス・ローザンヌでオーガナイズしている。非営利的団体で、クラブイベントの収益は女性と子どもを支援する団体に寄付される。www.lesfillesaffranchies.com

★レ・フィー・ザフランシーの最近のイベントについては、こちら

『レ・フィー・ザフランシー』(“解放されたガールズ”、以下FA)と呼ばれるアクティブなガールズ・グループがスイスのフランス語圏ローザンヌを拠点に4年前から新しいタイプのオール・ジャンルなレズビアン・イベントをオーガナイズしている。カミングアウトしている5人のレズビアンが運営メンバーとなり、「私たちは解放されたガールズのヴィジビリティを高めてる」と、リーダーのポリーンは言う。彼女たちは、クラブイベント、ピクニック、ハイキング、映画鑑賞、展示会、『The L word』※の15時間ぶっ続け鑑賞マラソンなど、あらゆるジャンルのイベントを企画・主催している。(※LAを舞台にした、登場人物がほぼすべてレズビアンという前代未聞のアメリカン・ドラマ。日本ではFOX LIFEで放映(ソニー・ピクチャーズエンタテインメントジャパン配給)。詳しい内容については雑誌『marie claire』06年7月号にも掲載。)

les filles affranchies

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ベースはレズビアンのテーマであるが、それだけにとどまらず、参加者の性別・セクシュアリティに制限がないのも特徴の一つ。彼女たち曰く、イベントは「ヘテロ・フレンドリー」なのだ。

FAはイベント・オーガナイズ・グループとしてとくに知られているが、「私たちの活動は、まずはウェブサイトの運営」と、ポリーンは説明する。「クラブイベントに一人で行きづらいと感じる人もいるから、私たちはまずウェブでフォーラムやマガジンを提供しているの。そこで自分の興味あるテーマを見つけてフォーラムでチャットをしていたら、そのうちアクティビティに来る勇気も出るじゃない? その次のステップとして、カフェ、演劇などのデイタイムのイベントに参加できると思うのよね」

現在パーティでは、男性の参加を断っていないが、当初はほとんどのレズビアン・イベントのように、入場を禁止していた。「自分たちが満足できるレズビアン・イベントが一つもないことにうんざりしていたから、まずパーティを企画したのよね。それで当時、「ガールズ・オンリー」のイベントを開催したの。ただ、その手のイベントは私たちの目的とはほど遠い「暑苦しいナンパ・パーティ」になってしまうのに気が付いた(笑)。それに、女性のみのイベントとして続ける限り、私たちのヴィジビリティは変わらないし、ずっと同じ状況であることを促してしまうと感じたの。だからまず、男性は女性同伴の場合のみ入場をオーケーしたの。興味本位で下心丸出しの男性グループを防ぐために制限したのよね(笑)。しばらくして完全にミックスにしたんだけど、それが結果的に一番良いことだとわかった。だって、私たちは「レズビアニズム」をプロモートしたいから」

今年からは、『ル・ロマンディ』(Le Romandie)というスイス・ローザンヌのオルタナティブ・シーンで最もクールとされるクラブでレギュラー・パーティを定着させ、最近ではヘテロの世界でも認知されつつあるようだ。今のところ、イベントは隔月で開かれ、『Kill Your Idols』というタイトルで知られている。また、ラジオ出演や、『ヴァンキャトロール』(24heures)という地元の大手新聞にも取り上げられ、彼女たちの斬新な活動は、レズビアン・シーンのみならず、メインストリームでも浸透してきている。

les filles affranchies/Kill Your Idols

彼女たちのイベントは、今でこそ成功をおさめているが、現在に至るまでには様々な困難があったという。「最初はとても批判されたの。しかもノンケからじゃなくレズビアンからね。レズビアンのテーマだけに限らず、あらゆる文化的なアクティビティを提案したから、エリート主義だとか、気取ってるスノッブな奴らだとか散々言われたりしたのよね」と、メンバーの一人であるリアは言う。それは今でも続いているのかと聞くと、「前に比べれば良くなったけど、今でもちょっとした問題を抱えている…」とポリーンは語る。「掲示板やフォーラムを含む古いタイプの出会い系のレズビアン・サイトがあって、私たちのことを目の敵にしているの。そこに集まる女の子たちはみんな半分鬱で、自分の犬についての話や、失恋や浮気された理由について延々と語ってるようなかんじなの(笑)。私たちは、彼女たちのことをよく「カントリー・レズビアン」とか「前の世代のレズビアン」と呼んでいるんだけれど、本当にうんざりするくらい「ザ・レズビアン」なのよ(笑)。日曜日にカップルで散歩して、焚き火の周りでギターを弾いて…それはそれでいいけど、とにかく私たちは勘弁ね!」

「ザ・レズビアン」たちにとって、アヴァンギャルド過ぎる存在のFAは、彼女らの集まるサイトで自分達の名前の書き込みを禁止されるほど敵対心を剥き出しにされているという。それでもFAは自分たちのスタイルを貫き、ほかと違う、セクシュアリティ以外のテーマでレズビアンが集まるイベントを提供し続け、その熱い想いを伝えている。ポリーン曰く、「バーでアルコールを飲みながら女の品定めをする野暮ったいレズビアン」のイメージとは違うものをこれからは与える。「今までのレズビアン・パーティはナンパするためだけで、音楽はダサいって有名だよね!(笑)」

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