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3. アリ!? ゲイ&MTF編
~薄まるボーダー~
Profile: 竹内 佐千子
東京都出身 11月15日生まれ B型 第3回『ダ・ヴィンチ』コミックエッセイプチ大賞受賞。メディアファクトリーの「コミックエッセイ劇場」(www.comic-essay.com/)で作品が連載され、現在『ハニー&ハニー』、『ハニー&ハニー デラックス』好評発売中。 sachinock.gooside.com/
カイザー(以下、K):
ところで編集者さんは、よくそういう場に竹内さんと行って、「もしかしたら私もアリかな!?」っていうのはないんですか? すごく興味あるんですけど(笑)。
竹内(以下、T):
私も聞きたい!
編集者(以下、H):
全然アリだと思うんですけど。
T:
えぇー! そうなんだぁ。
H:
でも、私むしろゲイとかのほうが好きで…(笑)。
T:
あー、不毛だってよく言われるタイプ?
H:
二丁目のママに「アンタそれ不毛よ!」って言われたことがありますね。でも、ゲイってノンケの女子に人気あったりしますよね?
K:
そう、私ゲイだったらもしかしたら…。
T:
あぁー!
K:
実際つき合えないけど(笑)、でもちょっと惹かれるところはある。
ゲイにもいろんな人がいますが、フェミニンで清潔感あってオシャレで身なりに気を遣っているゲイ男性には色気すら感じますね。自分でも何でなのか良くわからないんですが(笑)。
T:
わかります、それ。ゲイだってカムされた同級生がいるんですけど、この子とならプラトニックでならお付き合いできるなって思うんですよね(笑)。
K:
私も、プラトニックだったらなんとなくたまにちょっとできそう。
T:
そうそう、デートとかならできるなぁと思って。不思議な感覚ですよね。
H:
FTMとゲイだったらどっちですか?
K:
FTMですね。
T:
私も(笑)。
K:
そりゃあそうでしょう!!(笑) ゲイは、まわりに誰も女の子がいなかったらの場合ですね!
T&H:
あぁーー。
T:
まぁ「無人島にたった二人残されたら…」みたいな究極の選択ですよね(笑)。
K:
でもそれは夜込みの話しで、デートだけだったらゲイのほうが合うかも。FTMだったらアリですか?
H:
たぶんアリだと思いますね。外見っていうより、性格とか気が合う人のほうが好みなので。
K:
女性とは付き合ったことないんですか?
H:
ないですね。だからすごい残念です。
T:
『ハニー&ハニー』は一巻と二巻の担当者さんが違うんですね。彼女は二巻からの担当なんですけど、引継で紹介をされた時点で、ゲイの友達もいて、二丁目に行き着けのバーもあったんですよ! すでにそういう世界を知ってる人だったんです(笑)。
H:
『ハニー&ハニー デラックス』の中に二丁目のゲイバーが出てくるんですけど、漫画では初めてのように振る舞ってるんですが、じつはよく行ってて。ボトルキープしてたりとか(笑)。
K:
私、最近ゲイバーはあまり行ってないですね。
KN:
私はゲイの友達ばっかりなんですよ。この前も傷心だったので、御苑散歩に付き合ってもらったりとか(笑)。
H:
最近は、そういうセクシュアリティのボーダーって薄まってる気がします。感想とかもらっても、「私もアリかも」っていう人はいっぱいいましたし。
T:
あ、いますいます! すっごくいますね。
H:
読者ハガキでも「次は女の子と付き合いたいなぁ」とか、すごくいっぱい来ましたよぉ。「ノンケだけど、いまは女の子と付き合ってます」とかもね。
T:
いますいます。
K:
日本特有なのか、わからないんですけど…。私の経験では、海外より日本のほうがノンケも女の子と付き合ってるっていうのをよく聞く気がしますね。
T:
そうなんですかぁ。
H:
わりとボーダーラインの感覚がないですもんね。
T:
そうですよねぇ。
KN:
友達からだんだん愛が芽生えるってゆうか。
T:
あー。
K:
あと、ボーイッシュな女の子が好きだから、ガーリッシュな男性に、ちょっと錯覚したことないですか?(笑) タチに見える男性いません?
T:
あぁー!いますね。いますいます。
K:
男性だから反応してるんじゃなくて、女性として、ボーイシュな女性として見て、ちょっといいなって思うんですよ。
T:
そうですよね!すごいよくわかります。
H:
好みのタイプに見えるんですかね(笑)。
T:
そう、好みの範囲ですよね。
K:
今は自分がレズビアンだってわかってるんですけど、当時は、そういう人に反応するのって、自分はノンケだと思ってたんですよね。男性を見ていいなって思うから、やっぱりノンケかバイなのかなって。
T:
私もそう思ってました、昔は。
K:
でも実際付き合ってみると違うの(笑)。なんか手を握るとちがう。
T:
あぁー。そう、なんかこう、性欲が湧かない。あんまり男の人に。でもまぁ「それは私が子どもなんだ」とかね、いろいろ思ってましたけど。まぁ「大人になればそういう機会が訪れて、きっとそういう風になるんだぁ」って思ってずっと待ってたんだけど、来なかった、みたいな(笑)
H:
「おかしいなぁ」って(笑)。
T:
ねぇ。不思議(笑)。
K:
いつもレズビアンの人と喋ると思うんですが、みんな経験がそれぞれですごく違いますよねぇ。
T:
多分、傾向としてざっくり分けて「レズビアン」とか「ゲイ」とか呼べても、厳密には全く同じセクシュアリティの人ってそうそういないと思うんです。本当に個人個人で違いますよね。それに、ストレートの人とマイノリティの人の交流ももちろん大事だけど、マイノリティの中ももうちょっと理解し合ったほうがいいんじゃないかなって思いますね。たとえばFTMのことを全く知らないビアンの方も多いですし、FTMで全然ゲイの人のことを知らない人もいるし。
K:
確かに私自身は、FTMの友達がいないです。たまたまというか、二丁目とかで見かけてはいても、実際に出会うきっかけというのがなかなか無い。
T:
私、ものすごく仲のよかったビアンでタチの子がいたんですね。そしたらその子がFTMになってしまったんです。すごく精力的な子だったので、同じFTMの友達をたくさん作って。私、その子しかマイノリティの友達がいなかったので、そこからつながっていって、どんどんFTMばっかり集まってきちゃったんです(笑)。気がついたらビアンの友達がいないよぉ!って(笑)。
K:
エッセイで「うまい例えだな」って印象に残ったのが、ダーツの的の話なんです。
T:
あー、はい!
H:
ダーツの的。
K:
レズビアンでも、「たまに男性がOK」とかいろんな色がありましたよね? ビールばっかり飲んでて、ちょっと真ん中にたまにコーラ飲んで、それはまぁ嫌いじゃないんだけど、またビール飲んで、やっぱりビールが好きでしょ、とか。なんかそういうの、すごくうまいなって。わかりやすい例えだなって思いましたね。
T:
あれはマサコが言ってたんですよ。それを聞いて、私も「わかる、わかる! 私もそう思う!」ってマンガにしたんですよね。
K:
私も共感しました。
T:
「黒ビールだけはイケるよね!」みたいな(笑)。
K:
そうそう。私も、今はFTMは基本的には的に入ってないけれども、今後ありえないわけではないと思います。
T:
私もずっとそういう風に考えてましたね。
KN:
私、逆にMTFだったらいけるのかなぁ…。
T:
(笑)!!
K:
また面白いのが、MTFと言ったら、恋愛の対象は男性というのがステレオタイプですが、対象が女性っていう方もいますよね。MTFでレズビアンっていうね。
T:
あぁー、いますね。そういう方がイベントであの…入場していいですか?みたいなときに、主催者側が困っちゃって、「どうしようどうしよう…!」みたいな。まぁ確かにMTFの方なんですけど、「一応戸籍上の男性をお断りしております」ってかたちになっちゃって。残念だったなぁって。
K:
私のまわりでは、FTMの方とは付き合えるけどMTFの方とはちょっとないなっていうのが多いような気がします。
T:
あ、私もないですね。
K:
私の場合はほとんどない。だってみんなすっごいフェミニン(笑)
T:
そう、フェミニンだから。
K:
私は、まずフェミニンはタイプに入ってなくて、さらに元男性。
T:
そう!
H:
最も遠い存在なんですね。
K:
そう(笑)。
T:
私も。そう、一回ニューハーフの方がいるお店に行ったときに、もう全然ドキっともなんともしない…!とか思って。
K:
そうそう、私もそう(笑)。まぁ本当にいろんな人がいますし、今まであまり深く接する機会に恵まれなかったで、わからない部分もたくさんありますが、私の場合、今のところはないかなぁって、思います。 金井さんはアリ?
KN:
けっこうアリ(笑)。
K:
やっぱり!! ガーリッシュな子好きだから(笑)。
T:
好みの問題ですよね。
K:
やっぱりセクシュアリティはおもしろい(笑)。
MTFはアリですか?
H:
いや、普通に…友達ですね。女性として見ちゃいますよね、たぶん。
T:
そうですねぇ。友達。いくら戸籍を女性にしてて、全部手術が終わってたとしても、恋愛対象では…ないかな。たぶんボーイッシュなMTFはなかなかいないと思うので(笑)。
K:
いたらすごいおもしろい(笑)。タイプかも!
H:
見てみたいなぁ(笑)。
K:
あと、ノンケの友達にボーイッシュが好きって言うと、「じゃあ男でもいいんじゃん」って、よく言われる。
T:
あ、すごいよく言われる! 言われます、私も。
K:
そう、よくそういう風に言われるんだけど、「いや、どんなにボーイッシュな人でも、ベッドで脱いだらオンナでしょ?」って私は言うんです(笑)
T:
そう! そうなの!! 全く一緒のことを言います、私も!
「脱がせてみたときが重要だから」って (笑)。
K:
そう言ったら説得力あるみたいですよね(笑)
T:
「あ、ごめん…」みたいなね(笑)。そう、私もよく、すっごく仲がいい親友がノンケで、漫画にも出てくるマイちゃんなんですけど、マイちゃんも全然わたしの気持ちわからないんですよ。で、「なんでなんで?!」みたいに聞かれて、「だから、こうだよ!」っていっつも言うんですよね(笑) すごい貴重な、ネタになる存在なんですけど、その子にも言われましたね。「ボーイッシュだったら男でいいじゃん」って。で、「いや、でも脱がせたときが大事だよ」って(笑)。
で、「じゃあどこがボーダーラインなの?」って言われて、すごい話し合ったことありますね、おもしろく(笑)。
K:
あと、「脱いだら女」が重要と言いつつも、バリタチの方、ベッドで脱がない方ともお付き合いできるんですよね、私は。そういう意味でも、FTMの人ともありかなぁって思うんです。これもまた「脱がないなら男でいいじゃん」って言われるんですけど、そうじゃないんですよね! 接し方や触れ方がやっぱり全然違うんですよね、純男と(笑)。まぁ、ここら辺のことはノンケの人にはなかなかわかりづらいところではありますよね(笑)。
なんかあの、以前インタビューした人がボーイッシュな女性が好きっていう人で、「なんで?」って聞いたら、彼女が言ってたのは、「男性と女性の間を行ったり来たりしてる」って。ボーイッシュでも、すごい女性っぽく見えたり、なんかその行ったり来たりしているところがすごく魅力的だって。
T:
あー! すごいわかります。
K:
ボーイッシュでも中身は女性的だったり、なんかその行ったり来たりしてるところとか、両方持ってるところがすごく色っぽいですよね。
T:
すごいわかりますね。私、フェミニンでも、何故か中身が男らしければドキっとすることが多くて(笑)。だから、前に付き合ってた彼女が…今仲良しなんですけど、私と付き合ってた当時はすごいボーイッシュだったんですけど、今はすっごいかわいくなっちゃって(笑)。今は男性とお付き合いしてて、髪が長くてフェミニンなかんじで。かわいくなったけど、やっぱりちょっと男性っぽいところは残ってて、そこが「やっぱりかわいいな」って(笑)。
K:
本の中でアンジェリーナ・ジョリーが好みって描いてますよね。
T:
そう! ボーイッシュが好きって言ってるのに! 本当になんか、ときどきいるんですね、大丈夫な人が。アンジェリーナ・ジョリーはかっこいい!って思って、「この人は大丈夫だわ」って(笑)。
K:
私はガーリッシュではジェニファー・アニストンが大好きで、ああいうナチュラルなかんじがすごい好き。キュートなナチュラル系(笑)。
T:
えー! 意外!!(笑) あの…濃い人が好きですね。女性っぽいと、唇が厚い人が好きですね。
K:
まさにアンジェリーナ・ジョリー(笑)
話しは変わりますが、いつもなんか思うのが、日本のほうが、結婚しなければいけないってプレッシャーが外国より強いような気がする。あと、海外と違ってアウトしているレズビアンの芸能人などがほとんどいなかったり、情報も外国よりちょっと少ないので、もしかしたらそれで、自分がそうだって気付かずに結婚したりするレズビアンは、じつはけっこう多いのかなって思います。
T:
あぁー、そういう人もけっこういるみたいですね。感想メールでも、「私もそうだったかもしれないけど、今は旦那がいて子どももいるので」っていう人がいました。
K:
そういうのよく聞きますね。
T:
ノンケの友達と話してても、結婚の話ってけっこう出てくるんですね。で、私は全然結婚考えてなかったので、やっぱりみんな考えるんだぁって。不思議でしたね。結婚したいですか?
H:
全然ないですね。
T:
なさそうですね(笑)。
K:
私も自分がノンケだと思ってた時期も、結婚願望はなくて、一回も思ったことなかった。
T:
あ、私もそうでした。私もそういうタイプでした。ずーっと結婚願望がなくて、子どももいらないと思ってて、で、調度いい(笑)。なんかうまくできてるなぁと思って(笑)。
K:
でも、意外ですごくビックリしたのが、ボーイッシュのレズビアンでも子ども産みたいっていう人がけっこういて。
T:
いますね。ボーイッシュなレズビアンでタチの人のほうがバイの確率が高くて、すごい不思議。で、バイでタチのレズビアンの人と、完全に女しかダメっていうネコの人のカップルって多くて。私も、マサコがバイで、私がレズビアンで、カップルですって描いたら「そういうカップルって多いよね」と言われて。やっぱ多いんだぁって。不思議ですね。普通、ネコのほうがバイっぽいんですけどねぇ。
K:
金井さんはバイじゃないんだよね?
KN:
男の人とデートする時間がもったいない(笑)。
T:
(笑)!! 私、一回だけ男の人とデートしたことがあって、ご飯食べたことあるんですよ。なんか全然わかんなくて、ピンとこないし、ドキっともしないし、まぁたぶん人にもよると思うんですけど、なんだろう…みんなこんなことして楽しいんだぁって思って(笑)。社会勉強にはなりましたけど(笑)。
H:
「こういうことするんだぁ」みたいな。
T:
やっぱり男の人って大きくて、手も大きくて、何考えてるのか全然わかんなくて、不思議だなぁって思ってました。
K:
今から思うと、よく男とつき合えたなって思いますね。改めて。
FTMの方の場合も、さっきも話したんですけど、ヒゲが生えてない場合なら大丈夫。ヒゲとか脇毛はちょっとダメなんです、私…(笑)。
T:
あー、わかりますそれー!
K:
ジャニーズ系とか肌がツルツルしたタイプには惹かれるんですけど、男男しているヒゲとかはちょっと苦手です…(笑)。
T:
おもしろいですねー。
H:
興味深いですねぇ。ボーダーラインの話、すごいおもしろかったです。今度、漫画でそれやりましょうよ。
T:
あぁ、そうですねぇ(笑)。本当に、今日はじめて自分に一番近い人と出会ったかんじです(笑)。
K:
また是非(笑)。
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