映画監督ジェイミー・バビット、『IBTC』について

By Yuki Keiser July 2007


レズビアン映画/Itty Bitty Titty Committee

1. クールなフェミニズム

Profile: Jamie Babbit
1970年生まれ、LA在住の映画監督。映画『Go!Go!チアーズ!』(99)、『The Quiet』(06)、『Itty Bitty Titty Committee』(07)や、数多くのテレビドラマを監督。中でも、『The L word』、『アグリー・ベティ』や『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』などが有名。
 
 

レズビアン映画/Itty Bitty Titty Committee
『Itty Bitty Titty Committee』
 
 
ジェイミー・バビット監督の最新作、『Itty Bitty Titty Committee』(以下IBTC)が、『東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』で上映され、その舞台挨拶とプロモーションを行うため、今年7月6日より12日まで来日した。また、現在、11年来のパートナーであるアンドレアと、二人目の子どもを5ヶ月妊娠中ということで、大きなお腹を抱えての来日となった。(妊娠はもちろん人工授精!)

IBTCは今回の映画祭のオープニング作品に選ばれ、上映後ジェイミー監督が司会のドラァグ・クィーン、マーガレットさんとトークショーを行った。その後の質疑応答では、観客から鋭い質問が多く飛び交い、レズビアン/ゲイを問わず、ユニークなテーマのこの映画と、レズビアン・マザーである彼女に興味津々といった様子であった。

【リンク】 『IBTC』のあらすじや、プロデューサー、リサ・スラシャーのインタビューはこちら


レズビアン映画/Itty Bitty Titty Committee
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて、上映後の舞台挨拶で司会のマーガレットさんと。


――まず、最新作 IBTCを紹介してくれる?

そうね。この映画は、90年代のライオット・ガールズの音楽の映画バージョンで、まずそれらの音楽からインスピレーションを受けた作品なの。その音にマッチする映画をずっと作りたかったから。

――日本の読者に、そのライオット・ガールズ・ムーブメントを説明してくれる?

80年代のボーイ・パンク・カルチャーに対する反動として90年代初頭に登場した、フェミニスト・パンク・ムーブメントなの。そのライオット・ガールズ・ムーブメントの中心地とも言えるのが、ワシントン州のオリンピアという小さな町なんだけれど、バンド・ニルヴァーナのボーカル、カート・コバーンも住んでいたところで、そこに多くの女性が集まっていたの。そのパンクな町からその後有名になった女性は、コートニー・ラブ(元ホール)やキャサリン・ハンナ(レ・ティグレ)が挙げられるわ。その町には、とてもリベラルな大学「Evergreen」や、素晴らしいレコード・レーベル「KILL ROCK STARS」が存在していたの。その二人は、過激なパンク・ロッカーで、女性問題に興味を持っていて、さらにカート・コバーンとも同時に付き合っていたみたい。

――同時というと、二股掛けていたってこと?

そう、確か同時期だったと思う。だからあの二人はお互いのことをとっても嫌っているのよ、今でも(笑)。それで、彼女たちはフェミニストで、バンドを始めたのね。キャサリン・ハンナはビキニ・キルというとてもフェミニストでポリティカルなバンドを始めたんだけれど、楽器が弾けなかったの(笑)。コートニー・ラブ同様、彼女の思想は、「楽器なんて弾けなくてもいい、とりあえず弾くのよ。最終的にはマシになるから」だったのよ(笑)。それで彼女たちがパンク・ロック・ミュージックを始めて、地元のインディーズ・パンク・ロック・レーベル「KILL ROCK STARS」でレコーディングを行った。当時10バンドほどでスタートして、コンセプトは「フェミニストでクールなパンク・ミュージックを作る」こと。 当初のライオット・ミュージックは、原石がまだ磨かれていないような状態で、その荒削りなセンスをそのままIBTCにも反映したかったの。

――その音楽とムーブメントで何が一番気に入っているの?

音楽が醸し出しているフィーリングとエネルギーが一番好きなのよね。当時、彼女たちのライブは必ず見に行って、前列で聴いていた。ポリティカルなフェミニズムだけどクールで楽しい、うんざりしない(笑)ところがただ単に好き。さらに、歌詞がとても面白くて、その音楽にはいつも感動させられていた。
 

レズビアン映画/Itty Bitty Titty Committee

上映終了後、ファンにサインするジェイミー監督

 


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