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4. ファンタジーだけど作品の中でリアル
Profile: やまじえびね
漫画家。東京在住。『スウィート・ラヴィン・ベイビー』、『インディゴ・ブルー』、『フリー・ソウル』 など数々の女の子同士のストーリーを舞台にした本を祥伝社 『FEEL YOUNG』 で執筆。2006年には、作品『LOVE MY LIFE』 が今宿麻美主演で映画化され、注目を集めた。 お買い求めご希望の方はこちら→ www.s-book.com
――『LOVE MY LIFE』 の中では、いちこの両親がゲイとレズビアンという設定ですね。オリジナリティのあるストーリーだと思ったのですが、最近のアメリカではゲイやレズビアンの親が増え、話題を集めているそうです。そのインスピレーション・ソースは?
話をつくるときは、できるだけリアルじゃないほうが私はやりやすいんです。ファンタジックなものとして始めたほうが、うまく描けるんですよね。『LOVE MY LIFE』 では、「両親が同性愛なんて面白い」ってこれはもうほんとに単なる思いつきです。それで子どももまたレズビアンだった!なんてね、みたいな、そんな軽いノリで。まあだいたいいつもこうなんです(笑)。まずはファンタジーなんだけれども、作品世界の中でリアルであることは重要なので、それを追求していくと、結果的に現実の人が読んだときにリアルに感じられる、ようですね。

copyright やまじえびね『LOVE MY LIFE』/祥伝社フィールコミックス
――読んでいてそれは伝わってきますね。実際にありえる設定かどうかはあまり関係ないけれど、ただ、全体のフィーリングがとてもリアルだという印象を受けます。 『LOVE MY LIFE』 が映画化されましたが、その話が来たときはどう受け止めました?
まず驚きましたね。通常、女の子同士のストーリーは、「レズビアンだ」とか断言していなくて、どちらかというと「なんとなく二人の女の子が惹かれ合って、一緒にいる」的風なストーリーです。そのほう大勢の人に受け入れやすいだろうと思うんです。だけれど、『LOVE MY LIFE』 は主人公が「私はレズビアンだ」って自覚しているものなので、そういった面でこの作品は日本で映画化出来るんだろうかと思いましたね。結構半信半疑で、脚本が送られて来るまでは、「やっぱりやめました」と言われるんじゃないかと、正直思っていました(笑)。
――監督さんや女優さんとは、お話されました?
映画を撮影する前にプロデューサーの方とお会いして、「こういう風につくります」と説明を受けました。監督さん、役者さんやスタッフの方とは、試写の後お話しました。
――どういったお話しをされました?
プロデューサーさんへは一応、「オジさん向けみたいにはして欲しくない」と要望を出しました。テーマがテーマですので、正直すこし心配はありました。でも、「それはしませんから安心してください」とすぐに言われましたね(笑)。また、「レズビアン」のレッテルが役者さんに貼られてしまったら、その後の役者人生に悪影響がもたらされるかもしれないという心配もしていたのですが。「そういうことも大丈夫ですよ」って。実際に観てみて、納得しました。とにかく、裸でいるようなシーンが本当に少なかっですし。
――ご自身、映画に関してはどう思われましたか?
自分が作ったセリフをそのまま役者さんがしゃべってるシーンがかなりあって、それがもう恥ずかしくてしょうがなかったというのが正直な感想です。「ぎゃー、助けてー」って感じでした(笑)。それから、当たり前ですが、やっぱりマンガと映画は違うんだなぁと思いましたね。
――どういう点が違うと思いました?
映画と原作を比べてどうとかいう意味ではなくて、マンガの、紙に描かれた絵でしかないはずのキャラクター達の「生きている」感じの独特さについて、改めて感じ入ったというか、「マンガってやっぱりすごいよ!」って思ったのです。私などつい映像のように絵を描くことをめざしがちなのですが、リアルであるということは必ずしもそういうことではない、ということを改めて考えました。
――本のファンの方の感想はいかがでしたか?
あるファンの女性の感想は、「マンガの中での色っぽいシーンが好きだったから、映画でももうちょっとあってもよかったかなぁ」でした(笑)。

copyright やまじえびね『LOVE MY LIFE』/祥伝社フィールコミックス
――なるほどね(笑)。私の個人的な意見として、映画を観たときに、まず、すこし気になったのが、いちこがマンガではショートカットで中性的な印象だったのが、映画の中ではかなりガーリッシュってとこでした。ただ、女の子同士の映画が、渋谷の一般の映画館で上映されているという点はうれしかったですね。しかも、欧米の映画のほうが圧倒的に多いので、日本人の女の子が出ているという点もわりかし珍しいので、観ていて新鮮に感じました。 『LOVE MY LIFE』 がもし欧米で映画化されるとしたら、誰に演じてもらいたいですか?
誰っていうのはないけれども、個人的にベリーショートの髪型の似合う女の子が大好きなので、そんな、そう、中性的な雰囲気のかわいい人がいちこをやってくれたらなお嬉しいです。エリーは知的な感じの人であればなおいいですね。
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