米・西海岸のゲイプライドをピックアップ

by Yuki Keiser June 2007


LAゲイプライド

1. LAゲイプライド

LAを舞台にした、登場人物がほぼすべてレズビアンという前代未聞のヒット・ドラマ『the L word』がリリースされて以来、レズビアン・シーンが急激に盛り上がったLA。クラブやイベントが2倍以上にも増え、アメリカ中や海外からドラマの人物に会いたいと訪れる観光客も少なくない。今回、そんなヒップでホットなLAのゲイ・プライドと、クィアのメッカともいわれるサンフランシスコのゲイ・プライドをレポート。 


LAゲイプライド

ウェストハリウッド、土日に開催される昼間のフェスティバル (photo: michelle hinch)
 


LAを大別すると、二つの対照的なエリア&トレンドに分かれているといえる。西に位置するウェスト・ハリウッドはグラマラスなテイストで、ブランド・ショップや一流ホテルなどが集結している。いわゆるAリストセレブの集合スポットであり、ヤシの木的バカンス気分を味わうには最適のエリア。それとは逆に、東に位置するシルバー・レイクはオルタナティブでパンクなテイストで、古着屋や、ストリート系ショップが多い。また、ゲイタウンとも言われているウェスト・ハリウッドに比べ、シルバー・レイクはダイク・タウンやガールズ・タウンとも呼ばれている。最近ではその流れが近郊のダウンタウンにも飛び火し、新たなトレンド・スポットとなりつつある。ちなみに、今年6月に行われたTokyo Wrestlingのラウンチング・パーティも、このダウンタウンで開催された。(詳しい説明は、こちらの記事を参照→ 【LINK】)。  

そんな西と東に分かれているLAでは、ダイクマーチも二つ開催されている。双方、違うオーガナイザーに、違う趣旨である。

そもそも、アメリカでゲイプライドが始まったのは1970年で、ダイク・マーチが恒例イベントとして定着したのはそのずっと先の90年代。

LAゲイ・プライドをオーガナイズしているグループ「クリストファー・ストリート・ウエスト」(CSW)が創設されたそのきっかけは、NYの同名のストリートで前年に起きた「ストーン・ウォール暴動」だ。警察の度重なる嫌がらせに耐えられなくなったゲイとレズビアンが初めて起こした反撃をセレブレートしよう、と言う提案からイベントは生まれた。

74年以降は、3日間のフェスティバルへと拡大していき、異性愛者のカップルや子ども連れの家族の姿も少しずつ増えていった。今ではティーンエイジャー用ブース、幼児預かり所なども設けられている。毎年26万人ほどの参加者が集まり、そのうち2万人以上は異性愛者といわれている。日本人にとって印象的なのが、異性愛者とLGBTの家族や警察、大手企業も参加しているので、一般の町のお祭りの風景とあまり変わらないことかもしれない。

 

LAゲイプライド
 
ウェストハリウッド。犬用の「ブッチ・フェム」服など、様々なブースが設置。(photos: michelle hinch)

 

LAのゲイプライドのもう一つの特徴は、通常アメリカではゲイ・プライド自体への参加は無料なところ、LAではパレードなどとは別にフェスティバル・エリアも設けられ、20$の入場料がかかる。この入場料について批判する人も多く、商業的なテイストの強いウェスト・ハリウッドのゲイ・プライドには、シルバー・レイク・ダイクたちもとくに強い不満を感じている。それに対抗し、シルバー・レイクでも様々なダイク・イベントが催されてきた。 
 
 

LAゲイプライド

シルバー・レイクのダイクマーチ (photos: meredyth wilson)


ダイク・マーチの火付け役は94年で、ワシントンに5万人以上のクィア・ウーメンが集結し、米史上最大のダイク・マーチとなり、それ以降LAでも毎年欠かさず開催されるようになった。2002年まではウェスト・ハリウッドで主催されていたのだが、ゲイ男性が多すぎると感じたオーガナイザーたちは、翌年シルバー・レイクに移動した。「純粋にレズビアンのヴィジビリティを高めて、ウェスト・ハリウッドとは別に、自分たちだけのダイク・マーチにしたい!」という彼女たちの想いを込めて。   

 

LAゲイプライド
 
シルバー・レイクのダイク・マーチ (photos: meredyth wilson)
 
 
 
LAゲイプライド

ブロンド女性やハウスミュージック系が目立つウェストハリウッドのフェスティバル (photos: michelle hinch)
 


それで現在、両方のエリアにダイクマーチが催されている。金曜日の夜はウェストハリウッド、土曜日の夕方はシルバー・レイク、となっていて、双方のテイストや参加者の雰囲気もかなり対照的。前者は大きなゲイ・プライドの中の一つのイベントで、グラマラスなブロンド女性や、ハウス、ヒップホップ、ラテン、R&Bミュージックなどのカラーが強く、後者はインディペンデントなイベントで、エッジなアーティスト系のダイク、エレクトロ・パンクやロックなどの音楽がメイン。双方のマーチの先頭にDykes On Bikes(バイクに乗ったダイク)が走る一方、シルバー・レイクでは、キュートなDykes On Bicycles(自転車に乗ったダイク)もさらに加わる。シルバー・レイクのダイク・マーチは、明るい時間に始まり小規模な分、人数は少ないが規制も少なく、開放的でオーセンティックな雰囲気もダイクの間では好評。  
 
 

LAゲイプライド
  
ダイクマーチの先頭を走るDykes on Bikesたち (photos: michelle hinch)
  
  

今年は、シルバー・レイク第一弾のアフター・パーティが、バー「イーグル」で行われ、その後第2弾として、隣街にあるダウンタウンのアート・ギャラリー、「MJ ヒギンズ」で、先にも挙げたTokyo Wrestlingのラウンチング・パーティ「HOMO ARIGATO!」が開催された。ダイク・マーチの後はパーティに流れ、朝まで楽しむといったスタイルがシルバー・レイク・ダイク流、プライド・ウィークの過ごし方。今後も、ますますヒートアップするシルバー・レイクのシーンから目が離せない。 
 
 

LAゲイプライド

キュートなDykes On Bicyclesのフライヤー
 
 
 
【LAゲイプライド『CSW』】
【ウェストハリウッド・ダイクマーチ】
【シルバー・レイク・ダイクマーチ】 


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