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2. ハーヴェイ・ミルク・ハイスクールの生徒
●監督/キャサリン・リントン ●2006年、アメリカ ●配給・宣伝/アップリンク ●9月22日より、東京シネマライズX(T03-3464-0051)、大阪シネマート心斎橋(T06-6282-0815)にて公開中、ほか、全国順次公開。
詳細はこちら→ www.uplink.co.jp/voiceofhedwig
Profile: Katherine Linton
1992年より、レズビアンとゲイのためのTVシリーズ『In the life』にプロデューサー、脚本家として参加。『The Out 100』(2006)、『Lesbian Sex and Sexuality』(2007)など、ジェンダーやセクシュアリティに関するTV番組の製作に関わる。本作は初監督作品となる。
映画に登場する4人の生徒はどのように選ばれたのだろうか? 「彼らとの出会いはとてもラッキーだったの。出演してもらう生徒を選ぶために学校に行ったら、最初にエンジェルに出会った。彼女はセクシュアル・アイデンティティとして、まさしくヘドウィグと同じトンランスジェンダーだったし、さらに非常に素晴らしい人柄なこともあり、すぐに決まった。それから校舎に入ったらラファエルが踊っていたの。とてもエネルギッシュな子だったから声をかけたの。そしたら彼も出演をOKしてくれて。で、メイが登場。彼女はすごくタフな見かけで目を引く女の子だったから出演を提案した。でも後から、外見とは裏腹に弱い面もあるんだとわかったけれどね。最後にテナジャが通りかかったのを見て、彼女も存在感のある子だったので声をかけた。こんなふうに、最初に出会った子どもたちがみんなとても魅力的で中身も深い子たちだったから本当に幸運だった」
ハーヴェイ・ミルク・ハイスクールの生徒のひとり、アンジェル
リントン監督はその子どもたちを絶賛していて、撮影後も交流を続けているという。「メイのモデル人生はその後非常にうまくいっていて、アパートを購入、パリにも仕事ででかけたりと、大活躍しているの。会う度に髪型を変えているのよ。私が服を変える頻度よりもヘアスタイルをチェンジしているほど(笑)。一時期髪が長かったけれど、今はまた坊主じゃないかしら」
しかし、メイの様に人生が軌道に乗っている子がいれば、一方で少々厳しい境遇にいる子もいるという。「残念ながらラファエルは、現在消息をたっているの。探したんだけれども、今のところどこにいるかわからない。撮影後、父親に虐待されたため、家出をしてしまったの。エンジェルも、映画のシーンからもわかるように、厳しい状態にいた。彼女にとって一番大事な髪の毛を親が無理矢理切ってしまって、それが原因で家を出た。だから私は、ホームレスのティーンエイジャー用のアパートを見つけてあげたの。その後、仕事を転々としていたけれども、最近定職について、きちんと貯金も始めたわ。今後また自分のアパートを持てるようにと、サポートしている。今、彼女はホルモン注射を打っていて、以前にも増して素敵な女性になっている。テナジャに関しては、非常に良い生活環境にいるわね。フルタイムで大学に通いながら、ホームレスの若者を援助する社会福祉の団体でも働いている。彼女自身の経験を活かす形で、社会に貢献ができているのよね。いつもテナジャに言っているのが、私が家を買う前に彼女が家を買えるぐらい成功するんじゃないかなって(笑)」と、誇らしげに語るリントンの言葉からは、彼らへの強い愛情が伝わってくる。LGBTQの少年たちにとっては、決して生きやすいとは言えない現代社会。そんな中挫折を感じることも少なくないだろうが、諦めずに頑張り続ける彼らを今後も見守ってゆきたい。
リントン監督は、現在アメリカのゲイケーブル・チャンネル用のドキュメンタリー・シリーズを二本制作している。また、過激的なアンチ・ゲイ、アンチ中絶の保守的な人たちをテーマにした映画も撮影中。このように大活躍中のリントン氏、今後も素晴らしい作品をたくさん生み出してくれそうだ。
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