東京のエレクトロパーティ、fancyHIM 2周年記念

By Yuki Keiser October 2007


fancyHIM

2. コペンハーゲンのウーメンシーン

そもそも今回fancyHIMに出演したきっかけは、Chez Debsことデボラ自身だという。「前から日本にとても興味があって、今回偶然東京に行く機会があったからライブもしたいなと思ったの。それでネットでエレクトロパーティを色々検索していたらfancyHIMを見つけて、絶対にここに行きたいと思ってオーガナイザーたちにコンタクトをとった。だって、そこに来る人たちも、イベントのスタイルもすごいエッジでカッコいいじゃない?」。今回の来日でfancyHIMをはじめに東京が特別気に入った様子の彼女。当サイトのトップページに彼女の曲『Paradis La-bas』を使用したいとお願いしたところ、快く承諾してくれた。
 

fancyHIM/Chez Debs

Chez Debs

 
デボラはベルギー出身で9年前からデンマーク在住のソングライター兼パフォーマー。カナダのクィアバンドLesbians On Ecstacyとともに2005年に初ライブをコペンハーゲンの古い教会で催し、クィアフェスティバルにも出演するなど、かなりのクィア通。
 
当初は、低予算でエレクトロミュージックに携わったという彼女。「ある日たまたまデンマークの本屋さんで音楽ソフトウェアが目についたの。当時は、パソコンで音楽を作るには莫大な予算が必要かと思っていたけれど、そうでもないことを発見して始めたわけ。最初はとてもシンプルなソフトで模索しつつ、少しずつ難しいものに取り組んだの。とても古いコンピューターに悪い音、さらに千円ほどのマイクっていうぐらい、本当にベーシックだった(笑)」
 
デンマークのシーンはあまり知られていないが、ここ数年結構ハプニングがあるそう。エレクトロではとくに、女性アーティストのブッキングを行うグループも女性が創始し、コペンハーゲンのウーメンシーンもただならないとか。「女性のアーティストたちが集結するコンセプトは「レディーズフェスト」という形でアメリカで始まったのよね。男性の世界で女性が活動するのはなかなか難しいところもあるので、いわば女性が女性のために主催するフェスティバルなの。それで、そのムーブメントがヨーロッパに浸透した時、私も企画に関わった。それがきっかけで、ガールズバンドやクィアバンドとの交流も深くなって、自然な流れでクィアな環境に浸かったの」。自身が所属している音楽レーベルでも、エレクトロミュージックの女性アーティストにフォーカスしているため、ほかにも数々のクィアガールズバンドがプロデュースされている。
 
fancyHIM/Chez Debs

 
コペンハーゲンのクィアシーンについては、「ベルリンほど大きくはないけれど、コペンハーゲン自体とてもオープンな街なので、ストレートの間でもかなりポピュラー。いわゆる“レズビアンだけ”のイベントはもうあまりなくて、最近のトレンドはミックスでクィアなイベント。クィアたちは、私からすれば比較的オープンマインドで何歳までもパーティ好きだから、とても気が合う」とのこと。
 
現在、作詞作曲から演出まですべてを彼女が行っているが、インスピレーション源は特定のテーマというより、その時のフィーリングによるのだとか。曲『Soyousay』では、“you say you're gay”という歌詞が含まれているが、「曲の意味は基本的にいつも説明しないようにしている。人それぞれのとらえ方を自由にしたいから。でも、ひとつだけ言えるのが、この歌は‘セクシュアリティの混乱’をテーマにしていること。色んな性的指向や、誰かに性的に惹かれることや、混乱についてなの」
 
fancyHIM/Chez Debs

 
今回日本ではソロでパフォーマンスを行ったが、数々のアーティストとコラボレートしている。たとえば、2006年6月からのライブではふたりの女性とライブを行い、‘chez debs et les complexes’と呼ばれている。それは、「たんなるライブより、パフォーマンスコンサート的な演出を披露したいから」だという。今後も新しいことに挑戦する姿勢を保っていきたいというデボラ、是非また日本でパフォーマンスをしてもらいたい。 
 
fancyHIM/Chez Debs

Chez Debsマイスペース → www.myspace.com/chezdebs
  

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