『ゴー・フィッシュ』主演女優のグィネヴィア・ターナー

By Yuki Keiser June 2006


ゴー・フィッシュ

3. 初めてダイクコミュニティを描いた映画

Profile: Guinevere Turner
カミングアウトしているレズビアンのアイコン的存在。1994年にレズビアン・カルトムービー『ゴー・フィッシュ』で脚本家兼主演女優デビュー、2004年レズビアン・米ヒットドラマ『Lの世界』に脚本家として参加。その他、『アメリカン・サイコ』の脚本なども手がけている。
 

グィネヴィア・ターナー

グィネヴィア・ターナー

 
――『ゴー・フィッシュ』のアイディアはどこから?
 
ローズがまだフィルム学校に通っていて、ふたりである映画を観ていた時。『Switch』っていう80年代の映画なんだけれどね。あるシーンにレズビアンバーが登場するんだけれど、それがあまりにもアホっぽくて笑っちゃうシーンなのよ! 「こんなレズビアンバー見たことないし、こんなレズビアンも見たことないよ!」ってくらいありえない光景だったから、「私たちをリアルに描くためには、自分たちで映画をつくるしかないわね」って思ったのがきっかけ。最初はショートムービーを作ろうと思っていたんだけれど、それが少しずつふくらんでいって、最終的には長編映画を作ることに決めたの。当時は、『Desert Heart(原題)』みたいにレズビアン映画でさえ、コミュニティを反映していなかったのね。ふたりの単独のレズビアンが悲劇的な恋愛をするタイプなストーリーだったの。「それって、何だかピンとこない。私たちはこんなにも大勢いるし、ドラマもあり、愛や別れもあり、泣いたり笑ったり、ふつうの日常を送っている」っていうことを見せたかったの。だから『ゴー・フィッシュ』は、とくにストーリーがあるわけじゃなくて、ただたんにふたりの女性が出会ってお互い気に入っていくの。何かドラマティックな展開などもないし、自分たちのありかた、しゃべり方や、ライフスタイルなどを垣間見せている。

――あれから10年以上経って、作品を改めてふりかえってどう思う?

さっき言ったように、ちょうど3週間前にみんなで久しぶりに観たの。10年ほど観ていなかったんだけれど、とにかく爆笑しまくった(笑)。これは今まで自分たちが作った作品の中で、ワーストよ!

――(笑) あら! どうしてそう思ったの?

だって、まず色んな問題がこれでもかって次々と出てくるじゃない! 「じゃぁ、これについてはどう思う? ブッチ・フェムについてはどう思う? 男と寝るレズビアンについてはどう思う? ETC… 」って! だからもう笑いが止まらなかったわよ(笑)。で、映画の3分の2にたどり着いたらやっとお互いの気持ちに気づくって感じでしょう。長すぎない!? ま、でもエンディングの方ではスイートな展開を繰り広げるから、みんなで、「あら~、可愛いじゃない!? キュートなムービーも作れたのね!」って感動したのよ。でも、自分で言うのも何なんだけれど、最初の45分間、観客者はよく座っていられるわよね!!

――(笑)。言いたいことはわかるけれど、この映画はやっぱりクールだと思う。やっと自分たちの共感できる姿を自然に描いているのだから。それにちょっとやり過ぎるところはあっても、定義されている問題も興味深いし、当時のレズビアンが直面していた疑問などについてよくわかるよね。フレッシュでヤングなところも何だかウブで可愛いじゃん!

そうそう、若かったのよね。だから第2弾を作りたいって今話しているの。現在レズビアンが直面している問題は当時とかなり違うからね。あれから自分たちも年をとったし、さらに政治的にも状況が変わったし、レズビアンは今やアメリカではよりメインストリームだしね。だから、今論議をするとしたら何を言うかってことを考えているの。当時とはフォーカスが全然違うのよね。

――そうね、続編を作ったら絶対面白いと思う。キャラクターはどんな感じにしたいの?

1弾と同じように、登場人物は全員女性にしたいの。

――それは良いよね! Ely役を演じた女優も良い感じだと思ったよ! 他にも、『ウォーターメロン・ウーマン』に脇役で出演していたよね? ほんの少ししか登場しないんだけれど、その役が面白かった(笑)。他の映画にも出ているの?

いいえ、このふたつだけ。じつは彼女の本業は女優じゃなくて、シェフなんだ。今パリに住んでいる。

――シェフ!? 意外!

この前の鑑賞会の時、ローズと彼女と3人で観たの。3人とも涙が出るぐらいゲラゲラ笑っていて! 今の自分たちから見るとみんなすごい若かったし、赤ちゃんに見えるからね! 考えてみると14年前のことだから。

――その14年後に同じスタッフが集結するって楽しみだよね! まだみんなと交流はあるの?

何人かとは。ひとりだけ連絡がとれない人がいるけれど。みんな女優じゃないしね。私も、当時初めて演技したのよ。女優になりたいからじゃなくって、長い期間このプロジェクトに本気でコミットしてくれる女優たちが必要だったから、その1人を私が引き受けたわけ。それに自分が書いたキャラクターだと演じやすいしね。

――じゃぁ、それまで女優になりたいと思ったことはなかったの?

ないわ。本当、ある意味偶然なってしまったの。『ゴー・フィッシュ』が出て、他にも依頼がきたから引き受けた、みたいな。それに、普段脚本家である私にとっては、映画を作らなくてもよくて演じるだけっていうのはとても楽なのよね。演じることだけに集中すればいいんだから、とっても楽しい! あと、『ゴー・フィッシュ』の続編って、今思いついたんだけれども、東京で撮影するのもいいかもね! みんな東京に来なければいけない設定にするの!

――それは良いアイディアだよ、大歓迎(笑)。

本当に良いアイディアよね! それじゃぁ、これからどうしてみんな日本に来るかを考えなくっちゃね。
 

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