『Lの世界』大事典

by TW editors March 2008


Lの世界

3. ドラマがもたらした様々な効果

放送開始前から、とくに現地LAのレズビアンコミュニティで大きな話題を集め、誰もが口にしていたこのドラマ。しかし、放送後はレズビアンに限らず、恋愛や女性についての問題が広く描かれていることなどが高く評価され、一般的な大ヒットへと繋がった。今では世界50カ国以上で放映され、アメリカはもちろん、ヨーロッパ各地でもファンイベントが開催され、多くのファンを動員している。また、放送されていない国でも、YouTubeなどで観るファンも多いと言われる。レズビアンの間では世界的に知名度がきわめて高く、その影響力も大きい。今回は、そんなドラマがもたらした様々な影響などについて紹介する。

キャラクターたちのもたらした影響

それぞれ魅力的なキャリアを持ち、カミングアウトや自ら葛藤しながらも強く生きていくドラマのキャラクターたちに「励まされた」として、カミングアウトするレズビアンが増加。また若い世代は家族でこのドラマを観るなど、家族やストレートの友人とのコミュニケーションのきっかけを作ったといえる。

また、キャラクターたちが見せるファションにも注目が集まり、とくにシェーンのパンキッシュなルックスを真似る女性がレズビアンシーンを中心に激増。

Lの世界/シェーン役キャサリン・メーニッヒ

シェーン役のキャサリン・メーニッヒ


他にも、ドラマ放送後、主人公ベットとティナのように、人工授精で子どもを産むカップルも増え、メディアでも取り上げられた。

Lの世界/ベット&ティナ


ドラマがもたらした様々な経済効果

前述した、シーズン1にも登場するイベント「ダイナショア・ウィークエンド」に関しては、ドラマが放送されてからは参加人数が大幅に増え続けている。それまでは、ほとんどがアメリカ国内からの参加であったが、現在は世界中から多くのレズビアンが駆けつけるようになった。700人ほどで始まったこのイベントは、いまでは1万人にも拡大、開催日数も3日から5日に延長された。いまやこのイベントから発生する収益がパームスプリングスの1年分の経済を支えているといっても過言ではなく、開催当初は抵抗を感じていた一部の住民や近隣のホテルスタッフは、今では参加客のレズビアンたちを大歓迎しているという。まさに、『Lの世界』効果といえるだろう。

Lの世界/キャスト

2007年のダイナ・ショアに参加していた『Lの世界』キャストなど

 
ちなみに2007年は、ドラマの女優たちがゲスト出演を果たし、2008年も駆けつける予定。アイリーン・チェイケンや、アリス役のレイシャ・ヘイレー、シェーン役のキャサリン・メーニッヒなどが、最も盛り上がる最終日の「Lの世界・プールパーティ」に登場する。

その一方で、ドラマが始まる以前はLAの通常のレズビアンイベントが少なかったというのは意外な話。バーに関しては日替わりでレズビアンバーに、またクラブも同様の頻度で行なわれる程度で、何もない日も少なくなかった。しかしこうした状況も、ドラマ放送後にはイベントの数が3倍にも増え、今では毎日開催されている。

また、レズビアン雑誌もこぞってドラマの特集を組み、女優たちが表紙を飾り、売れ行きも大幅に上昇。


レズビアン雑誌


イギリスとアメリカのレズビアン雑誌


ドラマでもキャラクターたちが着用しているダイク・ファッション・ブランド「RIGGED Out/fitters」も、ドラマで取り上げられて以来、売り上げが大きく伸びたと、デザイナーのパリサ・パルニアンは語っている。とくに人気なのは、カルメンが着ていたTシャツだとか。

このように、イベントから雑誌、ファッションブランドまで、様々なジャンルのレズビアン・エコノミーの活性化を果たした面でも画期的なドラマとなった。

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