『Lの世界』大事典

by TW editors March 2008


Lの世界

4. 製作に関わるダイクカルチャーの中心的人物

『Lの世界』の監督や女優には、レズビアンカルチャーで中心的な人物が多く起用されたことも話題になった。また、クリエーターのアイリーン・チェイケンを筆頭に、脚本家のほとんどがレズビアンで、ストーリーには実体験が多く用いられていることから、今まで偏見や勘違いの多かったレズビアンの世界がリアルに描かれているのも人気のひとつ。そのリアルなストーリー展開の秘密は、脚本家たちが何週間もの間、毎日ひとつの部屋に集まり、自身や、友人のレズビアンの話を延々と語り合い、その一部を実際の脚本に採用していたこと。その反面、周囲のレズビアンたちの間では「脚本家たちと話すと、自分の恋愛ストーリーがドラマ化される」と、冗談めいて話されるという。


【クリエーター】


●アイリーン・チェイケン (Ilene Chaiken):

Lの世界/アイリーン・チェイケン

アイディアの提案及び脚本の制作、プロデュースなど、全てをコーディネート&スーパーバイズしているのが、このドラマのクリエーター、アイリーン・チェイケン。ドラマの監督も定期的にこなしている多才な彼女は、『Lの世界』制作以前にも、ウィル・スミス主演の大人気テレビドラマ『ベレールのプリンス』(’91-’91)のプロデュースや、パメラ・アンダーソン主演の映画『バーブ・ワイヤー』( ’96)の脚本家も務めているやり手プロデューサー兼脚本家。

また、『Lの世界』でも描かれるベットとティナのように、人工授精で双子の娘を出産し、その体験からドラマのインスピレーション源が生まれたと語る。さらに、シーズン1で描かれるジェニー同様、LAに移り住んだ当初はボーイフレンドがいて、その後女性と付き合い始め、レズビアンライフスタイルを歩むことになったとそうだ。「ジェニーは以前の自分、ベットは現在の自分に近い」と自身も語っている。

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【脚本家】


●グィネヴィア・ターナー (Guinevere Turner): 

Lの世界/グィネヴィア・ターナー

レズビアンカルト映画『ゴー・フィッシュ』(’94)の主演女優兼脚本家。『ゴー・フィッシュ』のとき付き合っていたローズ・トローシェの強い薦めで、『Lの世界』シーズン1&2のメイン脚本家を務めた。さらに、脇役としてもゲスト出演(アリスの元彼女ギャビー役)。最近では、映画『アメリカンサイコ』(’00)や『ベティ・ペイジ』(’07)の脚本家も務める人気ぶり。

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●シェリエン・ダビス (Cherien Dabis): 

Lの世界/シェリエン・ダビス

レズビアン映画製作会社パワーアップがプロデュースしたショートフィルム『Little Black Boot』(’04)の脚本家や、2006年に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でも上映されたショートフィルム『Memories of an Evil Stepmother』(’04)の脚本家兼監督。『Memories~』には、『Lの世界』シーズン2より弁護士・ジョイス役の女優、ジェーン・リンチも出演している。

また、2005年に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でも上映された、『Lの世界』のパロディ・ドラマ『the D word』(’04)の脚本家兼監督のひとりでもある。現在、ローズ・トローシェと付き合っているのも有名。


【監督】


●ローズ・トローシェ (Rose Troche): 

Lの世界/ローズ・トローシェ

レズビアンカルト映画『ゴー・フィッシュ』(’94)の監督で、脚本家兼女優のグィネヴィア・ターナーの元彼女としても知られているが、現在は前述シェリエン・ダビスと交際中。ドラマの主任監督の依頼を受け、彼女からグィネヴィアに脚本を依頼・説得したという。シーズン1から3まで赴任するが、自身の作品に専念するため、シーズン3を最後にドラマの監督を後にする。ティーンエイジャー・レズビアンドラマ『South of Nowhere』(’05)の監督にも携わる。


●アンジェラ・ロビンソン (Angela Robinson): 

Lの世界/アンジェラ・ロビンソン

シーズン4より主任監督、ローズ・トローシェの後を継ぐ。主に監督を務めるが、数エピソードの脚本も担当する。自身の作品では、レズビアン映画『恋のミニスカウェポン(原題:D.E.B.S.)』(’04)や、リンジー・ローハン主演の『ハービー/機械じかけのキューピッド(’05)』などが挙げられる。ちなみに、長編映画の前の2003年に、『D.E.B.S.』のショートフィルムも作製していたのだが、そのときの女優のひとりは『Lの世界』シーズン1にも登場の、シェーンのストーカー・レーシー役の、タミー・リン・マイケルズ。また、アンジェラはジェイミー・バビット監督とも15年以上の友情で結ばれていて、彼女がジェイミーをドラマに誘った。


●ジェイミー・バビット (Jamie Babbit): 

Lの世界/ジェイミー・バビット

シーズン4&5の監督チームに加わる。自身の長編映画『Go!Go!チアーズ』(’99)と『Itty Bitty Titty Committee』(’07)や、ドラマ『アグリー・ベティ』(’06)、『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』(’03)、『ゴシップ・ガール』(’07)などの監督のひとりとしても知られる。14年来のパートナーで映画プロデューサーのアンドレアと、人工授精でふたりの女の子を出産。2007年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にもゲストとして招かれた。

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他にも、『I shot Andy Wharol』(’96)や『ベティ・ペイジ』(’05)の監督マリー・ハロンをはじめ、人気ドラマ『グレイズ・アナトミー/恋の解剖学』(’05)や、『ER』(’94)、『CSI:マイアミ』(’02)、カルト映画『アンディ・ウォーホルを撃った女』(’96)、ケイト・ハドソン主演の『10日間で男を上手にフル方法』(’03)の脚本家などが監督チームに加わっていて、メインストリームでも活躍するアーティストたちがこのドラマの制作に携わっている。

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