『ラスト・フレンズ』の脚本家・浅野妙子さんのインタビュー

By Yuki Keiser June 2008


ラスト・フレンズ

1.“いまを切り取る”ドラマ

Taeko Asano Profile
1961年生まれ。脚本家。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。同大学院文学研究科修士課程修了。94年に『無言電話』で第7回フジテレビヤングシナリオ大賞にて佳作を受賞後、『ラブジェネレーション』(97)や、『神様、もう少しだけ』(98)、『大奥』(05)など、数々の大ヒット作品の脚本を手がける。現在、『ラスト・フレンズ』が大好評放送中。

浅野妙子

●フジテレビ系 毎週木曜 22:00~22:54(54分)
●脚本/浅野妙子
●プロデュース/中野利幸
●出演/長澤まさみ、上野樹里、瑛太
●【放送予定】
6月12日 第10話 22:20~23:14(スタートが20分繰り下がる)
6月19日 最終話 22:00~23:09 (15分拡大)
6月26日 特別編 22:00~23:24 (30分拡大)
●『ラスト・フレンズ』オフィシャルサイト→ wwwz.fujitv.co.jp/lastfriends


ラスト・フレンズ
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※『ラスト・フレンズ』のオフィシャルサイトも大人気。


ドメスティックバイオレンス(以下・DV)やセクシュアルマイノリティといった現在日本のメディアでも話題となっているテーマを中心に描き、いま最も注目を集めるドラマ『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)。毎週スリリングなシーンで終了するのに加え、上野樹里や、長澤まさみ、瑛太といった、いまをときめく若手実力派俳優が勢揃いしているこのドラマは、高視聴率を記録している。

そんな彼らの体当たりの演技が評判を呼ぶなか、上野樹里が熱演するセクシュアルマイノリティのキャラクター、岸本瑠可はとりわけ熱い支持を獲得している。その男気あるピュアなキャラクターは視聴者から格別愛され、レズビアンの間でもたちまちアイコン的な存在に。

そんな時代の最先端を行くドラマの脚本を手がけたのは、『ラブジェネレーション』(97)や、『神様、もう少しだけ』(98)、『大奥』(05)など一世を風靡した数々のドラマの脚本を手がけた浅野妙子氏。今回、最も気になるドラマのエンディングやストーリーの裏話、役者との顔合わせ、キャラクターの描き方や名前の由来、性同一性障害などについて彼女を直撃インタビューし、フランクに語ってもらった。

★ 浅野さんにドラマの結末について語っていただいた部分は、ドラマの放送終了後に続編として掲載。
★ インタビューの裏話は、こちら


――『ラスト・フレンズ』の反響は大変良いのですが、浅野さんはこの作品にどんな思い入れがありますか?

以前、『大奥』(05)の脚本を手がけたのですが、今回のようなゴールデンタイムの現代劇で、若者が主役というのは久し振りの仕事だったんですね。なので、緊張したというか、打って出るという気持ちが自分の中でありました。『大奥』は人気があったんですが、当時そんなに反響を気にしていなくて、プロデューサーと監督さんが考えればいいと思っていたんです。

今回の作品に関しては、「現代の最先端のことをやりたい!」と思って描いているんです。私は、いまのドラマ界って比較的保守的だと感じていて、そのせいかわかりやすいドラマが多くなっていると思うんです。それと、「暗い」というのが駄目だとか、「切実」であることなどは視聴率的に良くないという雰囲気があるんですよ。

そんな中で、私は“いまを切り取りたい”という気持ちを抱いていて、いままさに輝いている若い俳優たちと仕事をして「世の中に問いかけたい」と思っていたんです。簡単に言うと、視聴率も欲しかったですし、反響も与えたかった。

――浅野さんからしてこのドラマの見所は?

まず、ストーリーがこれまであまり触れられていなかった、現代のある部分を取り上げているというところですね。いままで見えなかった世界を見せて、目を開いてもらいたいという気持ちがあるんです。また、難しい問題ばかりを扱っているぶん、ストーリーの先がどうなるのかがとても気になるようにも描いているんですよ。

――毎週続きがとっても気になりますよね(笑)。

そうなんですよ! この世界では、たとえ「あの作品は良かったね」と言われても数字が良くないと忘れられてしまうので、より多くの人に訴えるには、面白く描くことが大事だと思うんです。そのため、話の展開がどうなるのかという引っ張りも見所だと思います。

――インスピレーション源は?

ドラマの企画というのは、最初に役者が何人か決まっていて、そこから色々と膨らませていくんです。今回は、最初は瑠可役の(上野)樹里ちゃんと美知留役の(長澤)まさみちゃんだけが決まっていたんですよ。そこからスタートしてエリ役の水川あさみさんが加わったのですが、実は最初は女3人の話にしようという案があったんです。でも、プロデューサーが男性を探してくれたり、向こうから来てくれたりと、男性陣が少しずつ加わりました。それで段々と話も変更していったんです。役者さんもひとつのインスピレーションなので、彼らを見ることによって、また色んな方向に広がるんです。

――その、当初女優二人が決まったときは、どういうストーリーを思い描いていたんですか?

当初からまさみちゃんがDVを受けていて、上野樹里ちゃんが性同一性障害の役、という設定は考えていました。実を言うと、プロデューサーが最初から決めていたんですよ。それでそこから始まったんですね。けれども、DVをする人は誰なのか、などは後から決まりました。

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