『TOPLESS』キャスト&スタッフ・インタビュー

By Yuki Keiser June 2008


TOPLESS

2.いままでとは違う、リアルな描き方

Profile 渡辺プリン (Watanabe Purin)
1971年兵庫県生まれ。編集の仕事を経て、フリーランスのライターに。女性誌からだ系Coidas『渡辺プリンの女の子大好き』、ウェブサイト『プリンのレズビアン放浪記』で注目された。


(※このインタビューは映画の内容について触れています。まだ観ていない人はご注意ください。)


――『TOPLESS』はレズビアンをとてもリアルに描いている映画だと感じているのですが、原案はレズビアンでもある渡辺さんですよね。ストーリーはご自身の経験に基づいているのでしょうか?

そうですね。自分の経験や周りのレズビアンの経験だったり、あとはもちろん空想の部分もあります。

――同映画のオフィシャルサイトで、<日本のレズビアン事情>として、海外では同性婚や同性パートナーシップ制度が可能な国が増えるなか、日本はまだ遅れていて、そのため、レズビアンの中には男と結婚せざるを得ない人もいると書いてありますが。

そうですね。経済的に自立していたり、家族の理解を得たりしているレズビアンもいますが、中には、経済や家族の事情で男と結婚せざるを得ないレズビアンもいるのが日本の現状だと思います。男と結婚するレズビアンは、一部のレズビアンの間で批難されていますが、その人にはその人なりの事情があると思うし、誰もが強く生きられるわけではないですし。相手の男性のことを考えると必ずしも良いとは言えないけれども、そういったレズビアンを責めなくてもいいのにと思うんです。また、5月に米カリフォルニア州で同性結婚が認められましたね。そんな中、日本ではまだレズビアンが結婚する権利が認められないのはおかしなことだと感じています。性別に関係なく結婚できることが当たり前の世の中になれば、こんな問題もなくなると思うのですが…。


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※結婚せざるを得ないトモミ(奥田恵梨華)と、何も知らないボーイフレンド(河合龍之介)。


――実際、mixiなどでも、ゲイ男性とレズビアンのお見合い結婚用のコミュニティもありますよね。それについて初めて聞いたときはとても驚きましたが。いままでそういった現象についてメディアではフォーカスされなかった部分だと思うので、そのような意味でもこの映画は大変リアルで面白いと思いました。最後、ナツコとトモミが一緒になれないのは、やはり日本の現状として描いているからなのでしょうか?

そうです。おっしゃる通りです。

――渡辺さんにとってこの映画の見所は?

すべてです(笑)。この映画は、世間が一般的に思うようなレズビアンものではないと思いますよ。まぁ、さっきもお話にでましたが、私はレズビアンで、自分自身がレズビアンであることには、小学生のときに気づきました。でも、当時、テレビや雑誌で見聞きする「レズビアン」という言葉には侮蔑や笑いの意味が含まれていたんです。だから、私は自分自身を肯定できず、長い間、レズビアンであることは恥ずかしいことだと感じていました。その後、大学生になって、ポジティブなレズビアンたちと出会うことができ、自分自身のことをやっと受け入れられるようになりました。そんな自分自身の体験から、侮蔑や笑いの対象ではないリアルなレズビアンの作品をつくることができたらなと考えていたんですね。内田監督とはある取材を通して知り合ったんですが、レズビアンストーリーを描きたいとのことだったので、協力することになったんです。最初は、内田監督は女子高生のピュアなストーリーをと思っていたのですが、私が入ったことによって、全然違う映画になりました(笑)。

――そうですね(笑)。仕上がりについてご自身の感想は?

いままでとは違う、リアルな描き方に仕上がっていると思うので、大変気に入っています。


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