『TOPLESS』キャスト&スタッフ・インタビュー

By Yuki Keiser June 2008


TOPLESS

4.実際に起きた出来事やエピソードを脚本に

Profile 内田英治 (Uchida Eiji)
1971年年生まれ。ブラジルで育つ。脚本家兼監督。映画『キューティガール -美少女ボウラー危機一発-』(03) で脚本家としてデビュー、監督としては『ガチャポン』(04)がデビュー作。現代を生きる若者を描き続けてきた、現在最も有望な日本人若手監督。


(※このインタビューは映画の内容について触れています。まだ観ていない人はご注意ください。)



――内田さんはストレートの男性ですが、レズビアンが主人公の映画をつくろうと思った理由は何ですか?

じつは当初は、中学生・高校生の女の子同士の物語を思い描いていたんです。昔の映画で『小さな恋の物語』という映画があるんですけれど、そんな感じで、「何で女の子が女の子を好きになっちゃいけないの?」と、教師や友達に聞くような、ピュアなラブストーリーにしたかったんです。でも、渡辺さんにそれを話したら、「レズビアンはそんなラブリーなことだけではなくて、本当はもっと色々あるんだ」ということを知り、驚いたんです。

――どういった点にとくに驚きましたか?

渡辺さんのお話を聞いて、日本という国の性質がレズビアンにたいして悪く影響しているような気がしたんですね。ゲイ男性の方たちは、とくに最近はメディアでもある程度露出がありますし、映画も多いと感じているんですが、レズビアンはやっぱりひとりで悩んでいる人が多いと気づきました。それで驚いたんですね。何でレズビアンってことだけでこんなに辛くなきゃいけないの?って。

――映画をつくられる前と後でレズビアンについて意識が変わったということでしょうか?

ああ、もう全然違いますね。やっぱり、知っているのと知らないのでは全然違うじゃないですか。たとえば、映画のストーリーに出ているような、したくもない結婚をする人がいるということは、昔知らなかったわけですから。本当に驚きました。最初そういう話を聞いたとき、いつの時代かと思いましたよ。戦前!? みたいな(笑)。ゲイやレズビアンにたいして違和感を抱くその感覚が僕にはわからないので、逆に今度そういう人に取材をしたいです。また、親へのカミングアウトということに対しても興味を持ちますね。最初は、じつはトモミがお母さんにカミングアウトするシーンが脚本にあったんですが、最終的には削りました。それで今回は親子のシーンは残念ながら含まれていないのですが。

――レズビアンについて、他にリサーチはされましたか?

はい、色んな人に会って話を伺いました。それで実際に起きた出来事やエピソードをなるべく脚本に取り入れました。また、この映画を撮るときに、ストレートの人にレズビアンについての意見を聞いてみたんですが、受け入れない人が思った以上に多かったです。たとえば駅前でも通行人に聞いてみたんですが、レズビアンのことを毛嫌いする人も意外にいたんですよ。日本って、女の子同士でも結構手をつないでいるので、割とそういうのを受け入れていると思ったら、嫌がる人もいたのに少し驚きました。


TOPLESS

©2007 Tokyo Sakura Print


――内田さんは、周りにレズビアンの友達いますか?

渡辺さん以外はあまりいないかもしれないですね。ゲイの友達はいっぱいいるんですけれど、レズビアンはあまりいないですね。そう考えると、やっぱりレズビアンのほうがゲイより閉鎖的かもしれないですね。

――女の子同士のストーリーということで気をつけた点はあると思うのですが、とくにどの辺に気をつけましたか?

女の子同士の恋愛の話だからといって、特別にならないように気をつけました。男の子と女の子、女の子と女の子、男の子と男の子のラブストーリー、全部一緒じゃないか、という風に撮りたかったです。愛し合うことや、ひとつになることはみんな同じと。

[ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] [ 6 ] [ 7 ]