アナ・マルガリタ・アルベロ監督のインタビュー

By Vanessa Craig July 2007


不思議の国の女たち

1.パリに恋して

2006年に、米レズビアン・ドラマ 『Lの世界』 のシーズン1に登場する、世界最大のレズビアン・イベント、ダイナショア・ウィークエンドにて、Anna Lachochaこと、アナ・マルガリタ・アルベロ監督がイベントの短編映画『不思議の国の女たち(原題:A Lez in Wonderland)』を撮影した。夏にぴったりなユーモア溢れるこの作品は、2007年のLAのLGBT映画祭「Outfest」で上映され、今年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にTokyo Wrestling関係者がDVDを持ち込み、強く推薦、晴れて国内でも上映された。会場では大いに盛り上がり、おちゃめで遊び心満載な監督のコケティッシュな演出に観客全員が笑いをこらえきれず、大盛況の上映会となった。

監督は、アメリカ育ちのキューバ人だが10年ほどフランスに在住し、現在はLAとパリを往復する国際的なレズビアン。本編は、フランスでは知らない人はいない大手ケーブル局「カナル・プリュス」(Canal+)の協賛を得て放送されたメジャー作品でもある。そんな、日本の観客も大ウケのこの作品の作製秘話や、大手企業の協賛を得るまでの長い道のり、反響、自身の異色なバックグランドなどについて訊いた。

今回は、LAを拠点に、ファッション・デザイナーとして活躍し、また、イベントプロデューサーとして当サイトのラウンチング・パーティをプロデュースしたヴァネッサ・クレイグにインタビューをお願いした。ヴァネッサ本人も、2年前からダイナショア・ウィークエンドで自身のブランドのブースも出店するなど、そのシーンにもなじみが深い。そんなアメリカのレズビアンシーンやカルチャーに詳しいふたりのディスカッションをお届け。


アナ・マルガリタ・アルベロ監督のオフィシャルHP→ www.annaalbelo.com
マイスペース→www.myspace.com/annalachocha


アナ・マルガリタ・アルベロ&ヴァネッサ・クレイグ

※インタビュー後にLAのレズビアンバーに仲良く飲みに行くヴァネッサ・クレイグ(左)とアナ・マルガリタ・アルベロ

――パリに移ったのはいつ? また、どうしてアメリカからパリに?

93年、23歳の時にパリに移ったの。どうしてパリなのかは、ひと言では説明しにくいんだけれど、色んな理由がある。まずパリの歴史が好きだし、私はキューバ人で家ではスペイン語を話していたけれど、アメリカ育ちだから英語の教育を受けていた。だからラテンとアングロ・サクソン両方の文化で育ったワケなんだけれど、ラテンすぎるのもアングロ・サクソンすぎるのもあまり好きじゃなかったの。フランスはアングロ・サクソンの知性とラテンのエモーションがミックスされている場所だと感じる。だから自分に合うんだと思う。

「住む場所はその人の多くを表す」って言うけれど、フランスにはたくさんのパラドックスがあって、それもまた大好き。アメリカで育った私にとって、パリに住むのは型破りな感じがする。ロマンティックなイメージと同時に、住むのにはハードな街でもあるところが気に入っているの。ニューヨーク同様、パリでは強者しか生き残れない気がする。一方ニューヨークと違う点は、同街の場合はタフで強い人間ならドアや壁を蹴破ることができるところ。その点、パリでは同じやり方はあまり通用しないんじゃないかな。

――なるほどね!

あと、フランスの女性は…。いままで、私はフランス人女性にしか恋したことないんだけれど、決して簡単なことじゃないわ。(頭を振って)フランス人女性を相手にするのは本っ当に大変よ!

――言いたいことわかる気がする(笑)。


不思議の国の女たち

[ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ]