『水の中のつぼみ』セリーヌ・シアマ監督&アデル・ヘネル

By Yuki Keiser March 2008


水の中のつぼみ

4.救えるかもしれない存在だけど

(※このインタビューは映画の内容について触れています。まだ観ていない人はご注意ください。)

――フロリアーヌはマリーが本当に自分を好きだと思ったところで、彼女を裏切りますよね。彼女にとってマリーとはどういう存在でしょうか?

色々あるわね。まず、実現するかもしれない真の友情。フロリアーヌにとって、マリーは初めて友達になれるかもしれない存在だよね。いままでは、美しすぎる女の子特有の悲しい運命というか、他の女の子に憎まれて孤独だった。また、道具のような存在でもある。フロリアーヌは、自分が魅惑的だということを理解しているので、他者を利用するのと同様、マリーのことも利用する。でも、フロリアーヌの弁護を少しすると(笑)、マリーはフロリアーヌを悪循環に閉じこめてしまうの。フロリアーヌは友情の可能性を信じようとするけれど、最終的にマリーはみんなと同様、彼女をただ求めていることに気づいて、がっかりしてしまう。マリーはフロリアーヌを救えるかもしれない存在だったけれど、最終的には彼女を落としてしまう存在そのものでもある。

水の中のつぼみ

――セリーヌさんはマリーに一番共感できるのでしょうか?

そうね。3人とも私の一部を含んでいて、気持ちもよくわかるから、みんな自分に近い存在かな。でも、完全に共感できるのは、やっぱりマリー。また、鑑賞者もマリーに共感するように、この映画をつくっている。

水の中のつぼみ
※マリー役演じる、新人女優ポリーヌ・アキュアール。


――女優たちはみんな若いのにも関わらず、とても才能がありますよね。どのように彼女たちを選びましたか?

マリー役は、プロではない15-16歳の新人を選びたかったので、街中で探した。学校の周りやお店、新聞での募集などで。最終的にパリのリュクサンブール公園で見つけたのだけれど。

――具体的にはどのように? またマリー演じる女優、ポリーヌ・アキュアールのどの辺が気になったのですか?

キャスティングのディレクターが学校帰りの彼女を見つけたの。周りにもたくさんの人がいたんだけれども、彼女の仕草や容姿、雰囲気などで選んだみたい。彼女、とてもキュートな感じじゃない? カンでわかったみたいね。キャスティングのディレクターたちは、ヘッドハンティングみたいな人だから(笑)。アンヌ役のルイーズは、新聞の募集で。フロリアーヌ役のアデルは、すでに映画で演じていたので、そこから。

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※アンヌ役の、セザール賞・最優秀有望若手女優賞にノミネートされたルイーズ・ブラシェール。

――マリー役の女優は、今後も女優として仕事をするのでしょうか?

そう願うわね。その後、ショートフィルムに出演して、オーディションも受けているみたいだけれど。いまはエージェントもついて、オファーにオープンだそうよ。同時に、丁寧に作品を選んでいるみたいね。映画に出たいけれど、クオリティの良い作品に出たいらしい(笑)。


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