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6.孤独だったことを忘れてはいけない
――米LGBTニュース雑誌『The Advocate』で、レズビアンとしてカミングアウトされましたよね。セレブリティや、アーティストがカミングアウトするのは重要だと思いますか?
ええ。かつて自分が孤独だったことや、ロールモデルや参考になるものがどれだけ必要だったかなどを忘れてはいけないと思うから。だから、いったん孤独じゃなくなって、ある意味社会的に成功してから、それを忘れるのは少し意地悪というか、不親切だと思う。だから、私は忘れないようにしている。もちろん、カミングアウトは簡単なことじゃないけれどね。「誰々がレズビアンで、そのことはみんな知っているのに、本人は言わないなんて本当にムカつく」っていつも私は批判していて、アウティングしても良いと思うぐらいだったけれど、自分自身がその立場になると、やっぱり難しいよね(笑)。まぁ、でも自分の信念を貫かないと(笑)。

――同記事では、「セクシュアリティについての映画をつくったのにも関わらず、フランスではそれについて誰も直接聞かなかった」と言っていることが興味深かったのですが。みんな、やっぱりセクシュアリティについてまだ遠慮というか、気まずさを感じているという証でしょうか?
今日、日本の取材ではもうすでに4回も聞かれた! ただ、直接的にではなく、完全に遠回しにね。その場合は、返事はしないけれど。インタビューには、ふたつテーマがあると思う。映画に関しての話と、私のセクシュアリティに関して。セクシュアリティについて話してもいいのだけど、その場合は意味がないといけないと思う。だから面と向かって質問をされたら、その人は勇気を持って質問しているわけで、それにたいして何かをしたいという解釈をするので、答える意味はあると思う。でもそれ以外は、返事はしない。
まぁでも、フランスでは、みんなどうでもいいのだと思う。だから質問しないだけ。ここ日本は、興味がないというよりも、少し戸惑っている感じがした。で、イギリスは、ダイレクトに質問するのよね。アメリカは、質問するどころか、勝手に返事までされる(笑)。“あなた、レズビアンでしょ!”みたいな(笑)。でも、カミングアウトするのは、ある意味リスキーでもあると思う。できるだけ多くの人に映画を観てもらいたいのに、それを狭めてしまう可能性もあるから。
――色んな国ごとの対応の違いが愉快ですね(笑)。アメリカの強引さが想像できますね(笑)。若かった頃、同性愛を題材にした作品が少なかったことを残念に思っていたそうですが。
もちろん。まず同性愛って、マイノリティで孤独だよね。そんなときは空想に頼ると思う。まぁ、私の場合は15年後に映画をつくることになるわけだから、それはそれで良いけれど(笑)。でも、やっぱり当時は結構辛いよね。フィクションの中で生きるのは美しいことだけれど、だからこそそういったフィクションの作品が必要よね! フランスで難しかったのが、一般の書店でゲイコーナーが無かったこと。最近では少し変わりつつあるけれど、まだ自分から行動を起こして、色々と探しに行かないと、なかなか作品が手に入らないよね。まぁでも、いまでは15歳で『Lの世界』が観られるわけだから、本当に画期的よね! 15歳でこんな作品に出会えるとはすごいことだよね! 想像できないくらい。

※セリーヌ・シアマ監督のサイン&TW読者へのメッセージ
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