台湾映画監督ゼロ・チョウのインタビュー

By Yuki Keiser July 2008


ゼロ・チョウ

3. 『彷徨う花たち』について

――『彷徨う花たち』に関しては、当初他のタイトルを付けていたそうですが。

そうなんです。最初の企画の段階から撮り終わるまでは、じつは別のタイトルが付いていたんです。ストーリーが三つクロスするので、それぞれ主人公の名前を組み合わせた、『メイ&ディエゴ&リリー』とうい感じのタイトルを当初つけていたんです。でも、撮り終わった後に、配給面なども考慮し、もう少し文学的な要素を含ませようとみんなで色々議論し合った結果、いまのタイトルに変えました。

『彷徨う花たち』
※『彷徨う花たち』の第3話に登場するリリー(右)とディエゴ


――両方の作品が持つ、“兄弟の絆”というテーマが印象的なんですが、チョウさんにとって、家族は重要なテーマでしょうか?

そうですね。親子や兄弟の間の絆や、肉親の情を大事にしたいと思っているので、そういったテーマも作品に反映していますね。

――また、チョウさんの作品には、『彷徨う~』では盲目の方や『-Tattoo- 刺青』では記憶喪失、アルツハイマーを患った方など、いわゆるハンディキャップを持った人物が多く登場すると感じたのですが、ご自身の周りにそういった方が多いのでしょうか?

そうですね。私の友達の中で、目の不自由な方がたくさんいます。というのも、目の不自由な方々のドキュメンタリーを撮ったことがあって、たくさん知り合いができたんです。ですので、日ごろからそういった方に関心を持っているんです。

もうひとつ、なぜか私の友達には少し変わった方が多いというか(笑)。台湾では私について、「渡世(流れ者)に生きる監督」と言われたことがあって、「流れ者を描いている」、という風にも言われているんです。確かに、あまりインテリ系というか、エリートのお友達は周りにいないかもしれません。

『彷徨う花たち』
※『彷徨う花たち』の第1話に登場する、目の不自由なジン(左)とディエゴ


――クィアもそうだと思います。俗に言われる“アウトサイダー”は、才能のひとつではないですか?

私の周りには、もちろんレズビアンやゲイの方、目の不自由な方、アルコール依存症の方など、社会では少しのけ者にされがちな方がたくさんいるんです。なぜか、そういう方たちに関心が行くんです。

セレナ・ファン&ゼロ・チョウ
※ジン役演じるセレナ・ファン(左)とゼロ・チョウ監督。


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