ダイク・スーパーアイコン、ジェニー・シミズ【モデル編】

By Yuki Keiser April 2008


ジェニー・シミズ

2. LAの伝説的クラブの前でスカウト

――ジェニーは、90年代にケイト・モスなどとカルバン・クラインの「CK One」の広告塔などに起用されて注目を集めていたよね。当時モード界や日本のレズビアンの間でかなり話題を集めていた。どのようにモデルになったか教えてくれる? LAのクラブの前でスカウトされたと聞いているけれど。

ジェニー・シミズ
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ええ、LAの東に位置するシルバーレイク・エリアにある、「ル・バー」っていうクラブの外でスカウトされたの。サンセット通りの交差点にあるの。いまでもオープンしているヒスパニック・ゲイバーで、ハスラー・バー(=ゲイ男性が売春するバー)だったの。以前は「バスコス」って呼ばれていて、毎週金曜日の夜は「FUCK」って言うクラブだった。名前からわかると思うけれど、そこはとにかくクレイジーなクラブだった(笑)。90年代はいまと違って、警察もいなかったしね。

――クレイジーなクラブっていうと、どんな感じの?

何て説明したらいいか…。放蕩というか、享楽的というか、全てが完全に自由だったの。クラブの中でモーターバイクに乗ったり、裸で走ったり。とにかくクレイジー(笑)。当時ヒゲを付けてくる女の子も多くて、ジェンダーの概念を覆す、“ジェンダー・ファック”的なクラブだった。

――ゲイ男性も来ていたの?

ゲイ男性や、ゲイ女性、トランスジェンダーなど。SM愛好者たちまでも来ていた。

――クィア満載ね(笑)。

そう(笑)。何でもあった。乳首にピアスしている人とか、体中にタトゥやピアスしている“ハード系”的なクィアたちも。後に流行った、トライバルの始まりでもあったし。ちょうど、90年代初頭にタトゥやピアスなど身体を改造するムーブメントが始まったときだったから。

――ジェニーはそのクラブの常連だったの?

当時、そこのドアーを務めていた女の子と付き合っていたからいつも通っていた。彼女の名前はスィート・ピー(Sweet Pea)。いまは結婚していて、「Project Runway」っていうファッションTV番組に最近出演している。

――それでどのようにスカウトされたの?

クラブの外にキャスティング・エージェントがポラロイドを持って立っていたの。イギリスのカミングアウトしているシンガーソング・ライター、アリス・テンプル(Alice Temple)と、モデルのトニー・ウォード(Tony Ward)と3人一緒に私のバイクに乗って遊んでいたら、エージェントが「写真を撮らせて!」って言って来て。で、その2日後に音楽PVに出演しないかって電話がきて、そこから始まった。

アリス・テンプル&トニー・ウォード
※クィアシーンのアイコン的存在でもある超クールなアリス・テンプル(左)とトニー・ウォードといるとき、LAの伝説的クラブの前でスカウト


――トニー・ウォードって、カルトゲイ映画監督ブルース・ラ・ブルースの作品に出演している俳優よね? (※D&Gやカルバン・クラインのトップモデルや、マドンナの元彼としても知られるアイコン的存在のモデル兼俳優。)

その通り! ブルースの『ハスラー・ホワイト』に出演している。

――その歴史に残る瞬間にトニーとアリスのような、クィアなアイコンたちといたなんて、すごいことね!! LAに住んでいるトニーとはいまも交流ある?

ええ、彼とは仲良くていまでも会っている。

――『ハスラー・ホワイト』の彼も最高だったし、スタイルも本当にクールだよね。

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