|
3.LAという特殊な街が舞台
――ドラマが「レズビアンはおしゃれ」っていうイメージを与えていて、それはレズビアン・コミュニティにとっても、大きなインパクトだと思うの。レズビアンがファッションに興味がないなんて明らかな誤解よね。シンシアがドラマについて初めて考えたときに、そういった誤解と向き合わなくてはいけなかったのかしら? たとえば地域によっては、常におしゃれに気を配るような環境じゃない所もあると思うんだけれど。
そうね。アメリカ中、あちこちを見れば自分のルックスがどう見えるかなんて気にしない人たちもたくさんいるわよね。何を身につけるかについてあまり興味を持たない人たちもいるけれど、そういう人たちはもっと人生の他の側面に夢中なだけなのかもね。でも、まぁ見た目って、とても重要だと思うわ。
※(左から)ヘレナ、シェーン、アリス
だからといって、オートクチュールを着て出かけなくてはいけないわけでもないし。『Lの世界』では全員がオートクチュールを着る余裕がありそうだけれどね。でもドラマの初期段階で、ジェニーが旦那を捨ててレズビアンとして歩んでいくわよね。そのとき、「どうやってこのキャラクターはディオールを買う余裕があるわけ?」や、「どうして彼女はバレンシアガのバッグを持てるの?」と言うようなファッションだったわけ。
この段階ではまだオーディエンスが彼女の持っているものがディオールだと気づくかどうかも私にはわからなかったの。彼女はまるでデザイナーの意図とはまったく矛盾した着方をしていたから。私の本当に言いたいことはそこよ。 彼女はシャツを脱いでディオールの帽子を被ることにしたの。彼女流の自己表現ね。
――「キャラクターたちは着ている物をどうやって経済的に賄えるのか?」が、『Lの世界』でのあなたの仕事で一番言われる文句だったのかな?
ええ、そういうこと。シーズン4の最初辺りまではそれが一番の文句だったわ。いまでは女性的な観点からみて、もう議論にはなっていないけれど。「彼女がLAでこんなの買えるわけないわ!」みたいなのはもうないね、LAはファッションがクレイジーだから。良い意味でね!
また、キャストは各々に成長して自分たちのファッションにより冒険的になったわ。たぶんそれが一番の不平不満だったんじゃないかしら。あと、「ブッチ(=マスキュリンなルックスのレズビアン)たちはどこに行っちゃったわけ?」という声には、いつも「私が脚本を書いたわけじゃないから…」と答えている。
――あなたがそうしたいからといって、アリスにスーツを着せるわけにも行かないだろうしね。
その通り。それと、私たちスタッフが描いているレズビアンのグループを念頭に置く必要もあるわ。彼女たちがどんな風に着飾るかね。ドラマのレズビアンたちはLAに住んでいて、そこは(フェムも多かったりルックスやファッションなどに気をとても使う)特殊な街ってことを忘れてはいけない。残念ながら、私たちはアメリカの中西部について描いていない。
実際、サンフランシスコにいるレズビアンの言った言葉が一番印象的だったわ。『Lの世界』はすごくフェムで、このドラマに関するあらゆることがフェムよね。でもそれって、あなたたちがLAにいるからなんだもの」って。まさにその通りね!
それが真実だし、みんなもそれをわかってくれているようで、うれしかったわ。
――そんな“フェムすぎる”的な不満を聞いて、ブッチに近いキャラクター、たとえばシェーンとかをもっとブッチっぽくしようと思わなかった?
いいえ。シーズン2に突入した時点ですでにキャラクターはみなとても人気があったから。クリエイターや作者、キャストたち誰も、好意的なフィードバックを得るためだけにキャラクターを変えたいとは思わなかったわ。
私が思うにこのドラマの意味は、まずキャラクターたちは女性で、普通に女性として生活していて、それで彼女たちはたまたまレズビアンだってこと。
[ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ]
|