ダイクアイコン的存在ピーチズのニュー・アルバム!

By Hisako Kondou


ピーチズ


ダイクアイコン的存在の“エレクトロ・パンク・クイーン”ことピーチズが3年ぶりに新作アルバムをリリースしたので、今回はその紹介を。

“ピーチズ”は、メリル・ニスカーがカナダ/トロントで1995年に始動したソロ・ユニット。現在は拠点をドイツ/ベルリンに移動。ピーチズとして有名になる前に、ここ日本ではi Pod nanoのCMソングとして起用された「1234」で大ブレイクを果たしたシンガーソングライター、ファイストのルームメイトであったことも知られている。また、そのファイストのプロデュースで注目を浴びたピアニスト/作曲家/プロデューサーのゴンザレスたちと一緒にThe Shitというギター・バンドを組んでいたことも。

ピーチズ
※我が道を貫く超タフなピーチズは、米ダイクアイコン的存在。

そんなピーチズはレズビアンアイコン的存在で、ダイクとはずっと以前からコアな交流を。まずは、レズビアンドラマ『Lの世界』などでも楽曲が起用され、シーズン2・エピソード12では、キャストたちが集まるプラネット・カフェのライブ・シーンに本人役で出演。03年にリリースしたアルバムの『Fatherfucker』のアートワークと同じように、ヒゲをつけたジェンダー・クィアなスタイルとトレードマークのホットパンツで登場し、アルバムに収録された「I U She」を披露。クィアオーラ全開のパフォーマンスでドラマのキャストと視聴者を釘付けに。

また、Tokyo Wrestling一押しのカッティングエッジなレズビアンアート誌『Girls Like Us』の第一号の表紙に抜擢されたのも象徴的。そのカバーでは、レズビアンのモデルGIAのアルマーニの広告を真似して、当時ダイクシーンで話題になったのも無理ない。

『Girls Like Us』/ピーチズ
※レズビアンアート誌『Girls Like Us』第一号の表紙を飾るピーチズ。レズビアンとしてカミングアウトしていたモデルGIAの広告に見立てられて。

また、ダイクユニット、スクリーム・クラブとコラボレーション・ソング「Fine as Fuck」を発表したり、元・レ・ティグレのメンバーで同じくダイクのJDサムソンやホールのコートニー・ラブのバンドのメンバーだったクィアコアなギタリスト、レディオ・スローンとバンドを組んでツアーをしたり(日本にも2006年にJDたちを引き連れてツアー来日)と、海外のかっこいいダイクたちと大の仲良し! ちなみにJDとの初バンド編成で行われたライブでは迫力満点のステージパフォーマンスを見せつけ、熱狂的なファンも獲得。このバンドは、70年代に流行ったデュオPeaches & HerbsをもじったPeaches & Herms (HimとHerを足した造語)として、セクシュアリティを超えた唯一無二の存在に!

歌詞やアティチュードもタフで、2006年には、元米大統領の名前と女陰を示すスラング“Bush”をかけた大胆なタイトルの『Impeach My Bush』をリリース。前作に続いてレズビアンとされる元ザ・ランナウェズのジョーン・ジェットや、Gossipのフロントガールでレズビアンをカミングアウトしているベス・ディットーがゲストとして参加。

3年ぶりとなる本作でも、相変わらずの過激でウィットに富んだ挑発的なリリックとビジュアルは健在。「ギターを使わない」と決めて作り始めたという、エレクトロ・ビーツとロックとパンクとヒップホップを融合したユニークなサウンドは、ピーチズならではの艶っぽさに磨きがかかっていて実に魅力的なのだ。また、思わず口ずさんでしまうほどメロディが心地よいソフトなサウンドにも挑戦し、新たな一面も見せるなど聴きどころ満載な1枚。エレクトロ・ブームのいま、まさに時代を先取っていたピーチズのホットなサウンドが炸裂! 是非チェックを!!

★ピーチズからのTokyo Wrestling読者へのメッセージ


※訳:
Tokyo Wrestling読者のみなさん、こんにちは。ピーチズです。
新しいアルバム『アイ・フィール・クリーム』をチェックしてね。
フジロックで会いましょう!! YEAH!!


ピーチズ

●I Feel Cream / アイ・フィール・クリーム
●Peaches / ピーチズ
●2,580円(税込)
●WARNER MUSIC JAPAN
www.myspace.com/peaches