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4. 米上院がマシュー・シェパード法を可決

10月22日、米上院はヘイトクライム(憎悪犯罪)の適用対象にゲイやレズビアン、トランスジェンダーも含める、10年以上も前から議論されていた法案をついに可決。

この法案は、1998年にワイオミング州ララミーで同性愛へのヘイトクライムにより殺害されたティーネイジャー、マシュー・シェパードの名前にちなんで、「マシュー・シェパード法」と名付けられた。シェパードは、ゲイという理由で男性数人に誘拐されリンチされた後、フェンスに縛られ凍えるような寒い夜に置き去りにされ、数日後に亡くなった。その残酷さから当時アメリカ中がショックを受け、以降同国でヘイトクライムの象徴的事件として挙げられ、同性愛者への憎悪による犯罪法律が可決される要求のための焦点になった。また、シェパードの母・ジュディがその後LGBTアクティビストとして精力的に活動し、同性愛者もヘイトクライムの対象に含むよう訴え続けてきた。

マシュー・シェパード
※98年にゲイという理由で殺害されたマシュー・シェパード。彼の死が無駄にならないためにと、母・ジュディがLGBTアクティビストとなり、「The meaning of Matthew」(=マシューの意味」といった著書を執筆。


アメリカで最初のヘイトクライム法が成立したのはマーティン・ルーサー・キング牧師の殺害後の1968年で、人種や宗教、出身地等を理由にした犯罪を含んでいた。今回可決となった性的マイノリティも対象にするこのマシュー・シェパード法案はいままで何度か提出されたものの、ブッシュ前大統領などが拒否するなど、なかなか実現しないという長い歴史がある。

そしてついに先日、性的指向や性自認の違いを理由にした犯罪をヘイトクライムの適用対象に加える条項を盛り込んだ法案が、68対29の賛成多数で可決された。下院もすでに同法案を可決し、最終的にオバマ大統領の署名を経て成立する。

それに対し、この法案が通過するための何年も戦ってきたアメリカ最大のゲイ権利擁護団体のヒューマン・ライツ・キャンペーンの代表Joe Solmoneseは、「この法案は、ゲイやレズビアン、バイセクシュアル、そしてトランスジェンダーに市民権をアメリカで初めて与える法案です。これまで、暴力や憎悪により破壊された(LGBT)コミュニティの人たちが多すぎます。」と語った。

先日ようやくオバマ大統領は、米軍隊でセクシュアリティをオープンにしているゲイやレズビアンの入隊を禁止する「(セクシュアリティを)聞かざる言わざる政策」(Don’t ask Don’t tell)の廃止を努めると宣言し、アメリカでゲイ差別解消へと少しずつ動き出した様子。今後も、地域によってセクシュアリティに対してオープンさと憎悪を持ち合わすこの複雑な国、アメリカの動向に注目していきたい。


★10月上旬に、レズビアンとしてカミングアウトしている米コメディアンのエレン・デジェネレスの番組にシェパードの母・ジュディが登場。エレンがカミングアウトした直後にこの事件が起きたため、エレン自身も当時とくべつ衝撃を受けたと語っている。英語がわかる方はこの感動的なインタビューを是非チェック↓
www.youtube.com/watch

文/近藤日咲子・カイザー雪

マシュー・シェパード
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