第22回東京国際映画祭・クィア映画ピックアップ

By Hisako Kondou


第22回東京国際映画祭

1. 映画祭でトム・フォード監督が登壇

今回は、六本木ヒルズを中心に開催される第22回東京国際映画祭の取材をTWで行ったので、数多くある作品のなかでも、エディターズがとくに気になったクィア関連の作品をピックアップ。

まずは、ゲイとしてカミングアウトしているトム・フォード監督の初監督作『A Single Man』についてご紹介。元グッチのデザイナーとして有名なトム・フォードは、ファッションという枠を超えて絶大な人気と影響力を誇るパワーゲイとしても知られている。

そんなトム・フォードが監督だけでなく、脚本、プロデューサーも務めた本作は、10月19日(月)のWORLD CINEMA部門での上映が日本での初お披露目の場となった。そして開映前には、自ら登壇しフォトセッションを行うなど、自信みなぎる雄姿で視線を釘付けに。そのチャーミングなルックスとセクシーなオーラに魅了された観客の期待は一気に過熱し、場内はたちまち熱気と興奮で包まれた。

トム・フォード

本作はすでに今年の9月12日(土)に開催された第66回ヴェネチア映画祭で、作品のクオリティが大絶賛を受けただけでなく、主人公を演じた男優のコリン・ファースが最優秀男優賞を獲得。早くもオスカーへの呼び声も高まっている。

しかし残念なことに、ヴェネチア映画祭での高評価や世界中のプレミア上映などで関心が高まっているにも関わらず、まだ日本でのロードショー公開は決まっていない。そのため、今回の映画祭での2回の上映のみが日本で観られる貴重な機会となった。当然のようにチケットは両日ともソールドアウトを記録し、その人気ぶりと注目度の高さを証明。

ファッション業界で新風を巻き起こし、奇跡的な偉業を成し遂げたトム・フォードが、満を持して新たに挑戦した映画への道。そして自ら「純粋に芸術的な表現」を追求したと公言し、商業的なファッションへの取り組みとはまったく別のクリエーションだという。

そんな渾身の思いが込められた『A Single Man』は、以前より蓄積してきた熱い情熱を繊細に、そしてアーティスティックに綴ったこだわりの作品。監督第1作目にして傑作とも称される本作からは、セクシュアリティにとらわれずにトム・フォード自身が伝えたかったことが堰を切ったように溢れ出してくる。

トム・フォード


【第22回東京国際映画祭・開催概要】

今年で22回を迎える東京国際映画祭(以下 TIFF)は、日本唯一の国際映画製作者連盟(*1)公認の国際映画祭として、1985年より開催され、日本の映画産業、文化振興に大きな足跡を残してきた。世界の2,600有余の国際映画祭の頂点に立つカンヌ、ヴェネチア、ベルリンに比肩し、世界四大映画祭と評価される国際映画祭を目指している。

*1 国際映画製作者連盟(本部:パリ:世界22ヵ国が加盟)世界の映画産業、国際映画祭の諸問題を改善、検討する国際機関。

●期間/ 2009年10月17日(土)~10月25日(日)
●開催会場/ 六本木ヒルズをメイン会場に、都内の各劇場及び施設・ホール
●オフィシャルHP/ http://www.tiff-jp.net/ja/

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