大塚隆史さんのインタビュー

By Yuki Keiser


大塚隆史

6.みんなどんどん自分たちのことを話して

――昨年、レズビアンドラマ『Lの世界』が日本でもリリースされて大きな話題を呼びましたが、観たことありますか? 感想は?

あります。ただ、けっこう頑張って観ようと思っていたんだけれど、なんか途中で落ちちゃったんですよ。シーズン1で、自分がストレートだと思いこんでいる小説家志望のジェニーが、初めて女性とセックスをするときに、急にメイクが変わったのが許せなくって(笑)。だっておかしいでしょ、あのシーンだけいきなり目の回りが濃いメイクになって。いかにも“妖しい女”とか、“バンプ”的な女を表すみたいで。その後、うちのお店でもゲイの人で『Lの世界』が大好きな人がいて、「あれを越えればすごく面白くなるから!」って言われたんだけれど、結局そのまま観ないでいる(笑)。

――(笑)。メイクのシーン以外については、全体的にどう思っていましたか?

『Lの世界』を観る前は、ゲイドラマ『クィア・アズ・フォーク』(’99)を観ていて、とてもハマっていたんです。当然僕はやっぱり男同士のドラマを観ていたほうがワクワクするし、ゲイの作品のほうが親近感あってリアリティもあるから。そういった意味で、『Lの世界』は面白いと思っても、距離感は感じていたのかも。

また、複雑な気持ちになるのは、『Lの世界』のほうが後にできたドラマなのに、何で『クィア・アズ・フォーク』が日本でリリースされないのかってこと。日本の社会の持っている、女性に対しての見方の現れなのかなと思う。やっぱり、『クィア・アズ・フォーク』のほうが、社会への衝撃が大きいんじゃないのかなって。とにかくこのドラマは気に入っていましたが、アメリカ版よりもイギリス版のほうがとくに好きでした。

――私もイギリス版がとてもリアリティあって、初めて観たとき衝撃的で大好きでした! 主人公のプレイボーイがスキッパで本当に可愛かったです(笑)。

そうだね(笑)。でも僕が本当に観たいのは、僕がよく知っているような日本のゲイたちがたくさん出てくるドラマ(笑)。本当に早く観たいと思う!

――大塚さん、脚本を書いてくださいよ(笑)。

(笑)。書くのはいいんだけれど、書いた脚本を実際にテレビで放送されるようなところまで持っていく、その部分が僕にはとてもできない(笑)。

――最後に、TW読者へメッセージをお願いします。

「僕の本をぜひ読んでみてください」、かな(笑)。あとね、レズビアンの人たちの感想も聞きたいかな。僕が知っているレズビアンは何組かいて、彼女たちに読んでもらったんだけれど、セックスのありようについて、「ここまでのセックスのこだわりはよくわかんない」って言われた(笑)。あ、そうなんだー、みたいな(笑)。

――(笑)レズビアンがセックスに興味ないわけじゃ全然ないと思うんですけれど、ゲイみたいにハッテンバはないですからね(笑)。

あの突き上げる衝動みたいなあの感覚はなかなかわかってもらえないんだろうなーって。なんかもうねぇ、理性とか無くなっちゃうあの感じ? 火がついちゃうとね。それを抱えながら関係性を築いていくのはたーいへん(笑)。だから女の人のほうが関係性を保つには、“有利”と言うと語弊があるかもしれないけど、向いているんじゃないかなーという思いはある。

だから逆に言えば、女の人同士の関係ならではの問題は僕にはまだ見えていないんだろうなって思う。そういうことも含めて、読んで頂いて、感想をもらえるのが一番うれしいかな。

一番言いたいのは、みんな自分たちのことをもっと話すのが大事だってこと。僕がこうやってひとつ提示したからといって、こうやらなくてはいけないとか思ってほしくないんですよ。そんなことが言いたかったわけではないから。「私がよく知っているのはこうです」って誰かが言うと、「じゃぁ、私がよく知っていることはこんなこと」といったコミュニケーションが生まれることが大事なんだと思う。僕は単純にその最初の「誰か」の役をやったにすぎない。いろんな情報の交換がたくさんできることによって、もっと色んなことがわかってくる気がするから。

だから読んだ人たちが、ブログとか発表の場は何でもいいから、自分たちの関係についてもっとオープンに話してくれたらいいな!って思ってます。

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