パトリック・ウルフの単独インタビュー

By Hisako Kondou & Yuki Keiser


パトリック・ウルフ

4.人生を変えてくれたボーイフレンド

――パトリックはとても大事なボーイフレンドがいるのよね。彼のことをメディアでもオープンに語っているけど、付き合ってどれくらい?

彼のことを考えると泣いちゃうよ(笑)。付き合って2年になるよ。ちょうど日本に発つ前日が僕たちの2周年の記念日だったんだ。その日は日本でテレビ関係の仕事をする予定が入りそうだったんだけど、ずらしてもらったよ。だって大事な日だから。

――パトリックにとってなくてはならない存在に?

そう、彼は僕の人生を変えた。彼と会う前、僕はとても孤独だったんだと思う。当時ハードスケジュールで仕事をこなしていて、1日3回もステージに立つことを毎日やっていた。そうやって世界中を旅しながら、様々な経験をして、見たこともない色んな場所に行って、表面では夢のような暮らしをしていた。でも頭の片隅ではいつもこう思っていた。「色んなことを経験しても、周りに誰もいない。電話して、それらについて分かち合う人がいない」って。

――そんなボーイフレンドと出会えて素敵ね! 彼は何をしている人?

ウィリアムっていうんだけど、彼は僕の関連商品の管理を担当しているよ。僕のショップや、イギリスのバンド、フローレンス・アンド・ザ・マシーンとかの管理もしているんだ。彼はとても創造力が豊かで、音楽的に優れた頭脳の持ち主。

曲ができあがったとき、いつも一番最初に彼に聴かせるよ。それで彼から素晴らしいフィードバックをもらうんだ。

パトリック・ウルフ

――彼のどういうところにとくに惚れているの?

最初は、彼の音楽コレクションを見て彼に恋に落ちたんだ。やっぱり、音楽家としてはまずは彼の音楽コレクションに惚れないと! なので、初めは彼の音楽コレクションを愛してしまったんだけど、それはとても大事なことだった。僕たちはハートと脳が同じだと思っているからね。

――じゃぁ、いつも世界中を駆け回っているパトリックが、そんな熱愛中の彼と離ればなれになるのは辛いんじゃないのかな?

そう、事務所の人間もよくわかっていると思うけど、僕たちを引き離すのは至難の技だよ。僕らは双子みたいだから。スカイプをやっている彼の横で眠り込んだりしちゃったりするぐらいだから(笑)。本当に、一時間でも離れていられない。以前は僕のツアー全てに同行して、いつも一緒だったよ。でも今年(2009年)は、ブラジルや日本、オーストラリアにひとりで行くことになった。離ればなれに慣れていないので、とても不思議な感覚だったよ。彼は僕を支える背骨のようなものだから。でも、彼のおかげで、仕事をこなす力や、世界中を回ってそれを楽しむというエネルギーをもらえたんだ。

――お互い離ればなれになることをどういうふうに受け止めたの?

それがね、彼のパワフルなとこで、こう言ってもらったんだ。「そこにはいないけど、心のなかにいる! だから、思いっきり楽しんで!」だから本当に彼のおかげで自分がしていること全てを愛せるし、これがまさに愛のパワーだと思う。とても、とても重要な存在。だから、このアルバムは彼と、僕らについて書いたんだよ。

――素敵! ボーイフレンドのことについてオープンでいるのはとてもクールなことだよね!!

そう、ゲイの権利や、ゲイ男性やレズビアンなどのメディアの取りあげ方って本当に興味深いと思う。日本の状況がどうかはよく知らないけど、イギリスではまだ、横柄で見下されているから。ゲイに対する偏見が50年前からずっと続いているというか。

だからこそ、男と女や、女と女、男と男など、愛し合っている2人の人間についてアルバムを作るのが大事だと思ったんだ。これは愛と愛の素晴らしさについて表現したアルバムで、これを聴いた人がそこに書かれている愛を信じることができて、その愛が実は男と女とが体験する愛と何ら変わりないことに気付いてくれればいい。生物に共通しているんだとわかってもらうのが、僕の目的とすること。

でもここ(日本)ではまだ、ゲイはまだアンダーグランド的存在みたいな感じが漂うね。


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