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6.クィアセンスが光る華麗な衣装
脚本はトム・フォードとデヴィッド・シェアースが共同で手がけ、撮影はロサンゼルスにて行われた。そして、心のひだに染み込むような感傷的な音楽は作曲家、梅林茂によるオリジナル曲が使われている。ウォン・カーウァイ監督の『花様年華』(’00)に使われていた梅林の「夢二のテーマ」がとくにお気に入りだったトム・フォードは、悲しみともよろこびともとれる梅林が作り出す音がジョージにぴったりだと思い、東京にいる彼にフォード自ら連絡をとったことから本作への参加が決まったという。ちなみにベテラン音楽プロデューサーの梅林は、松浦理英子の同名小説を基にレズビアンを題材にした映画『ナチュラル・ウーマン』(’94)の音楽も手がけたほど、かねてからクィアと縁が深い様子。本作では、心象風景を思わせるようなメランコリックな音楽で瞬時にトム・フォードの映像世界へといざなってくれる。
※コリン・ファース演じるゲイの大学教授ジョージとジュリアン・ムーア演じるジョージの長年の友人シャーロット。シャーロットの部屋でくつろぐふたり。
衣装を担当するのは、伝記映画『ウォーク・ザ・ライン』(’05)でアカデミー賞にノミネートされ、クィアカルト映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(’01)や、スタイリッシュ・レズビアンドラマ『Lの世界』(’04-‘09)のアリス役のレイシャ・ヘイリー率いるエレクトロロック・バンド、Uh Huh Herのアルバムをスタイリングしたことでも知られるアリアンヌ・フィリップス。
そして、映画『007/慰めの報酬』(‘08)で、ダニエル・クレイグ演じる6代目ジェームズ・ボンドの着るスーツのデザインを手がけたトム・フォード自身が、本作でもコリン・ファースの衣装を担当。クィア通のアリアンヌ・フィリップスならではのスタイリング・センスと、トム・フォードが描く1960年代のモードが見事に融合し、オーセンティックでスノッブなこだわりのファッションを華麗に再現させた。
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