パリ在住のアーティスト、エミリー・ジュヴェのインタビュー

By Yuki Keiser


エミリー・ジュヴェ

5. 彼女にもストレートだと疑われて!
エミリー・ジュヴェ

――男の子より、女の子のほうが自分のセクシュアリティを自覚するのが比較的遅いような気がするのだけれど、エミリーの場合はどうだった?

そうね。私も20歳頃だったので、比較的遅かったと思う。ただ今思い起こすと、自覚するずっと前から潜在的に色々サインがあったと思う。もしかしたらフェムのほうが自覚しづらいのかもね。でも幼少時代の早い時期に気づいた子もたくさん知っているわよ。レズビアンの中では、(早く気づいた)子たちが一番辛い思いをしているのね。

ティーンエイジャーは残酷な時もあるから、自分が人と違うことを早く自覚するのは、辛い場合もあるし彼女たちは思春期に本当に苦しい思いをしているの。たとえば、ストレートの親友の女の子と付き合ったり。とにかくティーンエイジャーにとってはきつい状況よね。

フェムに関しては、男の子と付き合わなきゃいけないプレッシャーを受けていると思うの。だから、最初はみんなと同じでいたいから、男の子と付き合うっていう、ね。

エミリー・ジュヴェ

――エミリー自身は、自分がレズビアンだと自覚したきっかけは?

単純に初めてのガールフレンドと出会った時。当時、友達とゲイクラブによく遊びに行っていたのね。で、後にその友達がみんなゲイだってわかったんだけれど、彼らも私もその当時は全然気づいていなかったの(笑)。

18歳頃、私は男の子と付き合ったりしていたんだけれど、ゲイの親友ともゲイクラブに行き始めて、20歳頃ある日レズビアンにいきなり押し倒されて(笑)。

――そうなんだ(笑)。男の子と付き合っていた時、違和感を感じるとか、何かしら気づかなかった? 

まったく。でも確かに、今思うと…女友達とよくキスしていたわね(笑)。でも、それは女同士にありがちなことだと思っていたの。当時の女の子の親友とはいつもキスをしたり、一緒のベッドで寝ていたりと、割と官能的なヴァイブが漂っていたんだけど、女の子はみんなそうだと思っていた(笑)。それに男の子と付き合っている時は、それなりに恋をしていたし、肉体的にも気持ちよかったの。

だけど女の子と付き合った日には、「WOW!!」ってね! 「あー、これが恋するってことね!!」って(笑)。一瞬にしてその差がわかって、女の子のほうがずっと良くって、もっと強い感情だって発見したの。「OK。あんたは女が好きなのね!」って(笑)。でもそれは、(女の子)と経験するまでは理解できなかったこと。 レズビアンの中でも、男の子に惹かれたことが一度も無い子もいるけれど、私は思春期は、両方の性に惹かれていたの。最初は両方試して、最終的にわかった!

エミリー・ジュヴェ

――レズビアンだと自覚した時、不安を感じた?

ええ、とても。私はノンケっぽいルックスだったので、自分が本当にレズビアンだということを証明しないといけない気がしたの。「今まで男と付き合っていたし超フェミニンだから、きっとみんな私はストレートだと思うわ」ってね。

あまりにもそのプレッシャーを強く感じたので、ボーイッシュぽく見えるように一時期髪を短く切って、バギーを履いて、タンクトップまで着ていたのよ(笑)。あまり長続きしなかったけれどね(笑)。「自分がレズビアンだということは誰にも証明する必要ないし、もういい加減止めよう」って。でも当時付き合った彼女たちにまで「あんたはストレートだよ」って言われたのよ!

――今はもう言われないよね?(笑)

今!? それはさすがにないわね(笑)。でも確かにフェミニンなルックスだと、疑われることはまだあるわよね。ただここ数年、フェミニンなレズビアンが(フランスなどで)急増しているから、もうあまり言われないかな。

エミリー・ジュヴェ

――最近、海外で子どもを人工授精などで産むレズビアンカップルが増えているんだけど、エミリーも子どもが欲しいのかな? その場合、どういった手段で?

欲しいわ。人生で1回は出産をしてみたいの。すごく怖いけれどね(笑)。フランスでは、人工授精を受けるには結婚しているストレートのカップルでないといけないから、どういった方法で産むかはまだ決めていないけれど。フランスでは、男の人と産む以外に他の方法は今のところないの。

――エミリーは、男の人と産めると思う?

ええ、そうしたいんだけれど、産みたいと思える男性にはまだ出会っていない。

――ベルギーではストレートでなくても人工授精が合法なので、パリジェンヌのレズビアンカップルはベルギーに行くこともあるとよく聞くんだけど、それには興味ないの?

それも考えたんだけれど、外国だから旅行をオーガナイズしたり高かったりと、安易ではないのよね。でも何よりも、匿名の精子を自分の体に入れるのはためらいを感じるわ。

――どうして? 逆に、匿名だからこそいいって言うレズビアンもたくさんいるけれど。

そうね。でも私はその精子がどこから出ているのか知りたいわけ(笑)。どこの誰だかわからないのは怖いし、選びたいわけ…

――父親の顔を?(笑)

たとえばね(笑)。産まれる子どもが必ずしも私に似るとは限らないし(笑)、人生で出会う男性の中で、「この人とは考えられる」と思う人と、「絶対に嫌!」という人がいるでしょ?(笑)。

父親には、子どもの教育に関わってもらいたくないけれど、やっぱり、子どもが自分の父親が誰なのかわかるようにはしたいの。子どもにとって、自分がどこから来たのかを知ることは重要だと思うから。

――エミリーが赤ちゃんを産んだ時にもまたインタビューをしたいわね! 最後に、今後の予定は?

新作『Feminist Sluts , a Queer X Show』がリリースされるので、映画祭を駆けめぐって、各国のレズビアンやクィアたちと出会いたい!

――本当に興味深いインタビューをどうもありがとう。TW読者もエミリーの作品やライフスタイルにとてもインスパイアされたと思う! 

こちらこそありがとう。TWとのインタビュー、とても楽しかったわ! 日本の読者に気に入ってもらうことを願っている!


Photos by Emilie Jouvet

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