LGBTweekのシンポジウム

By Yuki Keiser


セクシュアルマイノリティを正しく理解する週間

2.エネルギッシュな企画者

大手企業のSoftbankが協賛したり、法務省と内閣府の後援を得るなど、セクシュアリティを問わず大注目を集め、画期的なイベント「セクシュアルマイノリティを正しく理解する週間」。そんな一大イベントを開催した石川大我氏にインタビューを行い、開催するにあたっての難題や、今後の展望について語ってもらった。

石川大我さん
※イベント企画者で、ゲイとしてカミングアウトしている石川大我さん。

※注意:このインタビューは、社民党の政権離脱前に行われたインタビュー。

――今回、政府や大手企業が参加する一大イベントを開催されたのですが、その感想、また一番印象に残ったことについて教えていただけますか?

そうですね。ホットラインでは、80才になる女性から「テレビでホットラインを知りました。同性が好きであることを80年間黙っていたのですが、電話なら言えると思いました」と、涙ながらにお話いただいた方がいました。また、10代のGID当事者から、「自分以外の存在に出会ったことがなく、孤独です」というお話も伺うなど、とにかくホットライン開催の3日間、回線が鳴りっぱなしで、需要の大きさを改めて実感しました。

また、シンポジウムには予想を超える460名の方々にお越しいただき、明治学院大学最大の教室がほぼ満席になりました。当事者だけでなく、行政やメディア、企業などが「一体になってセクシュアルマイノリティの未来を考える」、という意味では画期的だったと思っています。本当に開催して良かったです!

――そうですね、私たちもワクワクしました!  前述のSoftbankや福島大臣(当時)の協力を得るのは画期的なことだと思いますが、開催することにあたって直面した難題はありましたか?

難題だらけでした(笑)。法務省や内閣府の後援を申請しても、いわゆる官僚の方々から「自分のところの担当ではない」や「前例がない」など、色々理由をつけて難色を示されました。しかし、最終的には後援の許可が下りたわけですが、内閣府は福島みずほ大臣、そして法務省については中村哲治政務官や民主党の幹事長室などにご協力いただき、ぎりぎりの交渉を行っていただきました。本当に感謝しています。やはり、これは自民党・公明党の政権ではできなかったことで、今、連立政権は色々言われていますが、政権交代の成果だと思います。

また、Softbankやアメリカン航空など一般企業の協賛にはコチ株式会社の東田さんにとても精力的に動いていただきました。Softbankさんは北海道や大阪のパレードにも協賛するなどゲイフレンドリーな方針を打ち出しています。こうした企業の動きを当事者側としても応援していきたいですね。

――一番難しかったことは何でしたか?

今回とくに痛感したのは、日本の社会において「前例がない」ことをやるのは非常にエネルギーと工夫とアイディアがいるんですね。でも、僕としては“ないものねだり”ならぬ“ないものづくり”が好きなので、楽しみながらやっていきたいと思います。今回それをなんとか突破できたので、この動きを広げていきたいと思います。

――来年も、同イベントを開催する予定ですか? 

ええ、実行委員会では早速、来年に向けて動こうとしています。このイベントでは、省庁の後援決定などが遅れ、ポスターとチラシが刷り上がったのが10日前だったんですね。なので来年度はじっくり時間をかけて、より大きなイベントにしたいです。

――イベントのタイトル「セクシュアルマイノリティを正しく理解する週間」は、どのように決定されたのですか?

今回は広く、行政なども含め、参加しやすいようにタイトルを決めました。「~を正しく理解する週間」というのは人権系のイベントで“ありがち”な名前なんですね。霞ヶ関用語というか(笑)。

あえて、その名前を使うことによって、今まで輪に加わったことのない、法務省や内閣府に入ってもらうことに成功しました。やはり、政権が交代して行政がきちんとLGBT施策をやっていくんだ、という筋道を今回つけたかったんです。

もちろん、僕らこそが「正しい」といった、そうした趣旨でつけたのではなくて、一般の方々広くに、例えば、GIDと同性愛を混同していたりするのを“ちゃんと”理解してください、という意味なんですね。

――最後に、TW読者へのメッセージをお願いします。

僕はLGBT活動を始めた10年前から、「ディズニーランドに恋人と手をつないで行ける社会をつくりたい」と言ってきました。10年経ってもまだその社会は実現されていません。しかし、10年前ごくわずかだった同性同士のパートナーシップに法的保証を与える制度は現在多くの国で認められるようになりました。暮らしやすい社会をつくるため、できることを少しずつやっていきたいと思います。一緒にがんばりましょう!

――お忙しいところどうもありがとうございました! これからも応援しています!

★イベントのオフィシャルHP↓
www.lgbt-week.jp


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