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1.バルティック・プライド2011
今年の6月に、バルト海に面している3つの国エストニア、ラトビア、リトアニアが、共同でゲイプライド「バルティック・プライド2011」をエストニアの首都・タリンで行うことになった。今回は、まだ日本ではまだあまり知られていない同イベントのレポートをお届けする。
※バルティック・プライドのインフォメーションセンターの入り口。旧市街に向かう静かな通り沿いに、レインボーの旗が掲げられているのが目印。ヨーロッパらしい情緒ある街並みも魅力的!
まずは、バルト三国のLGBT背景について一言。最近、西欧諸国で同性パートナーシップ制度や同性婚をはじめ、LGBTの法的・社会的認知が急激に高まっているなか、同国ではLGBTの権利はまだあまり無く、さらにホモフォビアが垣間見られる場面も多々ある。2006年にエストニア在住のオランダ大使ハンス・グラウビッツ氏が、自身の同性パートナーがホモフォビックな発言を浴びせられたため、他国への移動を要求するなどといった例もある。ちなみに現在エストニアでは、職場での性的指向に基づいた差別禁止法は存在するものの、同性パートナーシップ法はなく、政治的議題としてやっと最近取り上げ始められてき、まだ新しいトピックなのだ。
そんななか、2004年より、エストニアでゲイプライドがついに開催され始め、LGBTシーンも徐々に盛り上がりを見せ、若い世代の活動家もどんどん勢いづいてきている。
※バルティック・プライドのインフォメーションセンターの入り口には、プライドのポスターや様々なLGBTイベントの宣伝が期間中に貼られている。
今年のイベントに関しては、クラブパーティーやワークショップ、セミナー、映画上映など、6日間に渡って多種多様なイベントが行われた。けれども、他国で通常メインイベントとなるパレード自体は開催されなかったのだ。プライドの役員のひとりマレット・ネイさんによると、パレードといったデモは、エストニアの文化や政治的慣習に合うものではなく、逆に反発を受け状況を悪化させてしまう恐れがあると考えられたからだ。それで国内の世論とのバランスを考慮した上で、パレード無しのプログラムが今回組まれた。とはいえ、一部に惜しまれつつもその他のイベントの内容は濃いものが多かったため、それはそれで地元のクィアの間で好評だったのは確か。
※バルティック・プライド実行委員のひとり、マレット・ネイさん。
映画の上映は、市内に新設された人気ショッピング・モールのなかにあるミニシアターを貸しきって行われた。作品は、セクシュアリティやフェミニズムについての、ヨーロッパのドキュメンタリー映画や短編映画が主に上映された。なかでも、エストニアの隣国・ラトビアのLGBTの状況やゲイプライド賛成派・反対派の意見を取り上げたドキュメンタリー映画『homo@lv(原題)』は、そのタイムリーなトピックから、参加者たちの注目をとくべつ集めていた。また、以前Tokyo Wrestlingでご紹介した、レズビアンとしてカミングアウトしているフランスの有望な若手監督セリーヌ・シアマの最新作『Tomboy』も上映され、地元のダイクにも歓迎された。
※旧市街にある、ミニシアターに掲げられていたクイア・フィルムの宣伝。
バルティック・プライドはヨーロッパの大都市のプライドのなかでも、まだ規模が比較的小さいかもしれないけれど、国内のLGBTムーブメントを確実に活発化させ、政治への働きかけはとても有意義。事実、今年はエストニアの社会庁の大臣が応援に駆けつけるなど、少しずつLGBTたちのヴィジビリティや理解向上に貢献している。またプライドの後援にはイギリスやスウェーデン、オランダの大使館やその周辺のサポートも厚く、これからのエストニア、そしてバルト3国におけるLGBTの政治的、社会的権利の進展が期待される。Tokyo Wrestlingも応援する!
★バルティック・プライドのウェブサイト
http://omafestival.ee/
★バルティック・プライドのフェイスブック・アカウント
www.facebook.com/BalticPride
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