レズビアンの娘を持つ羽田圭二世田谷区議会議員

By Yuki Keiser


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――石原さんは、公共の場でLGBTに対して差別的な発言を定期的にしていますが、海外(欧米)でしたら、とっくに謝罪か辞任に追い込まれています。日本では、まだ人権意識が薄いようで、メディアなどもまだずいぶん寛容ですが、それについてはどう思われますか?

今後、我々が様々な機会を通じて、上川あやさん石川大我さんなど、セクシュアル・マイノリティについてもしっかり公の場で主張していくことで、見方が分化していくと思います。今年1月のLGBT成人式に、世田谷区議会の議員や自民党の人も参加しましたし、見方や考え方の提起が必要であって、それを私たちは侵してはならないと思います。そのことによって、石原さんの言っていることはおかしいという声を掲げられると思います。今の構図でいうと、石原さんや橋下本さんは、上から押さえ付ける態度が似ていると思います。刺青を入れている人を押さえ付けるとか。どう考えても、あのような国民の感情を踏みにじったことは許されるわけありません。私たちは、それを許してしまうような基盤にもっと目を向けながら対応していかないと、政治そのものは変わらないと思います。

――どうしてそういうことがまだ許されていると思いますか?

LGBTに対して知識や見方の問題もあると思います。たとえば、世田谷区では人権教育を教育目標のひとつに掲げていますが、実際、教育現場でいじめがなくなっているかというと、そうではないのです。男が男らしくなくたって、女が女らしくなくたって、それを認める人権教育があれば、子ども自体も、大人も変わってくると思います。また、子どもが見放されているのもあると思います。そのように育てられた子が皆のそれぞれの暮らしや生き方、考え方を認め合っていない、全体が認め合う環境にないことがひとつの大きな理由だと思います。

――石原さんとは会ったことがありますか?

ないです。

――もし会ったら、何か言いたいことがありますか?

特にないですね。防災訓練などで通り過ぎることはあるでしょうけど(笑)。

――ちなみに日本のエンターテイメント業界では、お茶の間でも知られているゲイのタレントは大勢いますが、レズビアンはまだいません。その理由に関してはどう感じていますか?

社会が男女平等じゃないからじゃないでしょうか。普段もそうじゃないですか。たとえば被災地では、女性の方が先に雇用が打ち切られていることもありますし。そういった環境でレズビアンをカミングアウトするのは難しいのではないでしょうか。

――最後に、悩んでいるLGBTにメッセージをお願いします。

誰もがありのままに暮らせる社会を、世田谷区は保坂区長を中心に着々と積み重ねていて、一歩一歩進めていくということに専念しています。まず排除ではなくて、それぞれの考えや生き方を認め合う、人権尊重の視点を議会や区政の場でしっかりやりながら、それをさらに東京全体に発信していくつもりで活動しています。生きづらさを社会の中でまだまだ感じている方がいると思いますけれど、その生きづらさを一つ一つ取り除いていくのが私たちの役割だと思っていますので、これからももっともっと支援をしていきます。

羽田知佳さん:
声をあげられる当事者がひとりでも多くならないと私たちLGBTが自分らしく暮らせる社会には変わっていかないと感じています。私は、両親や姉にレズビアンであることを認められ、周りからしたら恵まれた環境に生まれたと感じるかもしれませんが、自分自身が声をあげないと家族も理解してくれないと実感しています。私の姉や母もすぐに受け入れてくれたわけではありませんでした。カミングアウトしてから私自身の想いや願いを時間をかけて話したことによって、少しずつ理解してもらったという経緯があるので、ひとりでも多くの人が勇気をだして一歩を踏み出してほしいなと思います。それで、私たちが生きやすい社会に変わっていくのではないかと考えています。

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